ヘルペス(その他表記)herpes

翻訳|herpes

デジタル大辞泉 「ヘルペス」の意味・読み・例文・類語

ヘルペス(herpes)

皮膚小水疱すいほうが群れをなして生じる状態ヘルペスウイルス感染によって起こり、口唇陰部にできる単純性疱疹ほうしん帯状疱疹たいじょうほうしんがある。疱疹

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精選版 日本国語大辞典 「ヘルペス」の意味・読み・例文・類語

ヘルペス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] herpes ) 皮膚に小水疱がいくつか集まって群れをなして生ずるもの。口唇や陰部にできる単純性疱疹肋間神経三叉(さんさ)神経の走行に沿ってできる帯状疱疹がある。匐行疹(ふっこうしん)。疱疹(ほうしん)
    1. [初出の実例]「ヘルペスは湿地帯で感染すると聞いたが」(出典:小さな貴婦人(1981)〈吉行理恵〉六)

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘルペス」の意味・わかりやすい解説

ヘルペス
herpes

ヘルペスウイルスによる感染症で,疱疹とも呼ばれる。単純性疱疹herpes simplexと水痘および帯状疱疹とに大別されるが,ここでは単純性疱疹について述べる。単純性疱疹は,主として口唇,外陰部などに集団をなして小さな水疱を形成し,数日で糜爛(びらん)して乾燥し,1週間前後で治癒する。ウイルスは神経節に潜伏して,同じ部位再発をくりかえすのが特徴である。口唇疱疹は,俗に〈風邪の華〉とも呼ばれ,発熱寒冷日光,疲労などを誘因として再発することもある。陰部疱疹は,主として性交により伝染する性感染症で,妊婦では産道で児に感染するおそれがあるので注意を要する。初感染の場合には,不顕性で気づかぬこともあるが,歯肉口内炎や陰門腟炎となり,発熱,リンパ節の腫張などの全身症状をともない,痛みも強いことが多い。再発を確実に予防する方法はないが,年とともにあまり再発しないようになる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘルペス」の意味・わかりやすい解説

ヘルペス
へるぺす
herpes

皮膚に小水疱(すいほう)が群がって生じた状態をさす病名で、疱疹(ほうしん)とよばれる。代表的なものにウイルス感染によっておこる単純性疱疹と帯状(たいじょう)疱疹がある。単にヘルペスといえば前者をさすことが多い。

[野波英一郎]

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百科事典マイペディア 「ヘルペス」の意味・わかりやすい解説

ヘルペス

疱疹とも。小水疱または小膿疱が群をなす状態。ウイルスの感染による皮膚病で,単純性疱疹と帯状疱疹がある。単純性疱疹は口唇(こうしん),陰部などにアワ粒大〜米粒大の水疱が小範囲に現れ,軽いかゆみと灼熱(しゃくねつ)感を伴うもので,単純性疱疹ウイルスによって起こる。化膿したものには抗生物質軟膏などを塗布。
→関連項目ウイルス病カポジー水痘様発疹

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルペス」の意味・わかりやすい解説

ヘルペス
herpes

身体のある部位にほぼ均一性の小水疱が多発した状態をいう。原因により単純疱疹帯状疱疹,妊娠性疱疹などがある。現在では,単にヘルペスという時は,単純疱疹のことをいう。

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世界大百科事典(旧版)内のヘルペスの言及

【発疹】より

…高齢者の皮膚にみられる。これらのほかに,皮膚病変を表現する用語としてよく用いられる発疹名に,疱疹herpes(小水疱が集まった状態),苔癬lichen(丘疹が集まった状態)などがある。
【皮膚病と発疹】
 皮膚病は以上述べた発疹の単独あるいはいくつかが混じりあって,その特徴的な臨床像を形成する。…

【水痘】より

…伝染力がつよく,6月ころに小流行をみることがある。ヘルペスウイルスのなかまである水痘‐帯状疱疹ウイルスvaricella‐zoster virusの感染によりおこる。ウイルスは,唾液の飛沫などによって気道から進入し,ウイルス血症をおこして,皮膚に紅斑,水疱を生ずる。…

【性行為感染症】より


[ウイルスによる性行為感染症]
 陰部疱疹,伝染性軟属腫,尖圭コンジローマなどがある。単純性疱疹ウイルスherpetoviridaeによる陰部疱疹(単にヘルペスherpes simplexともいう)は,男女の外陰部に小水疱が出現する性病型の疾患であり,多くは初感染のときは症状が出ず,抵抗力が低下したとき発病する。伝染性軟属腫ウイルスによる伝染性軟属腫は,小児にできる通称〈水いぼ〉であるが,成人外陰部に生じたこのウイルスによる腫瘤が性交により相手の外陰部に感染していく。…

※「ヘルペス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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