低木性落葉樹のカバノキ科ハシバミ類の食用にされる堅果をいう。ハシバミ類で果実をつつむ苞が短いものをヘーゼルhazel,長いものをフィルバートfilbertと欧米では区別して呼ぶことがある。また前者は野生種,後者は栽培品種として区別されることもある。ハシバミ類は北半球に15種ほどが分布する。日本にはハシバミとツノハシバミの2種が分布するが,どちらも経済栽培は見られない。果樹として重要なものはセイヨウハシバミCorylus avellana L.(英名common hazel,European hazel)で,アジア西部からヨーロッパに原生し,トルコ,イタリア,スペイン,北アメリカが主産国である。花は雌雄異花。雄花はひも状の花穂を形成する。雄花先熟で出葉前に開花。雌花は数個が集まって枝端に花房となってつく。果実は10月ごろに熟し,成熟すると落下する。クリに似るハシバミ類の果実は,野生の堅果類としてクルミ,シイなどとともに古くから食用にされたが,日本では栽培化されなかった。ヨーロッパではセイヨウハシバミが古くから重要なナッツとして栽培され,品種も分化している。日本で市販のヘーゼルナッツは欧米からの輸入品であり,菓子原料や生あるいはいためて塩味をつけ,ビールのつまみなどに用いる。
執筆者:志村 勲
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… シデ類やアサダの材は器具,家具などに,シラカバなどの柔らかい材は民芸品やマッチの軸木,パルプなどに用いられる。ハシバミ属の果実は食用となる(ヘーゼル・ナッツ)。根粒をもつヤシャブシ類は裸地斜面の砂防用に植えられる。…
※「ヘーゼルナッツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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