ホット・ライン(読み)ほっとらいん(英語表記)hot line

翻訳|hot line

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホット・ライン」の意味・わかりやすい解説

ホット・ライン
Hot Line

「いつも通じている通信線」の意味で,普通,ホワイトハウスクレムリンの間など2ヵ国政府間の直通通信線をさす。核時代における偶発戦争の防止などを目的として,1963年6月 20日にジュネーブで結ばれた直通通信線設置に関する米ソ間の了解覚え書がその発端。このホット・ラインはテレプリンタ方式で,有線無線の2本の電信回路から成り,67年の中東戦争の際に初めて使用されたといわれる。次いで,71年9月 30日に米ソ間でホット・ライン改善協定が結ばれ,両国の通信衛星利用の回線が増設され,75年3月 20日および4月 29日に修正協定が結ばれた。なお,仏ソ間 (1966.11.9.調印) ,英ソ間 (67.8.25.調印) にも2ヵ国政府間直通通信線が設けられており,72年の韓国と北朝鮮の取決めに基づきソウルピョンヤン (平壌) の間に直通電話線が設置された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホット・ライン」の意味・わかりやすい解説

ホットライン
ほっとらいん
hot line

1963年6月20日に調印された「直通通信連絡線設置に関する米ソ覚書」に基づきワシントンのホワイトハウスとモスクワのクレムリンの間に設置された直通のテレタイプによる通信線で、緊急時に首脳間の直接対話により戦争の危険を回避しようというもの。当初は有線と無線の二つの同時送受信電信回路が設置されたが、71年9月30日の協定により人工衛星通信組織を導入して改善が図られ、さらに84年7月17日の協定によりファクシミリ装置も加えられた。米ソ間のほか、66年には仏ソ間、67年には英ソ間にもホットラインが設置された。また、首脳間の直接の意思疎通を図るため、ワシントンとロンドンボン、東京などの間にも直通通信連絡線が設置されている。

[木村修三]

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