単利法にもとづく,無利息期限付債権の満期前の時点での,その債権の現在価値を求める方式。すなわち,満期までn年ある債権があるとすると,その満期時の債権の名義額が,その債権の現在価値額とそれを残りn年間運用することによって得られる利子額の合計に等しいという,等価の原理によって算出する。つまり利子率を年率r(%)とし,債権の現在価値をP,満期時の名義額をSとすれば,単利法にもとづく利息計算から,P(1+nr)=Sが成立する。したがって,現在価値はP=S/(1+nr)で求めることができる。このホフマン方式は,生命・身体の損傷などに対する損害賠償の算定の場合,将来の稼得可能所得を推計するために用いられることが多い。
なお,債権の現在価値を求める方式には,カルプツォウ方式P=S(1-nr)と複利で計算するライプニッツ方式P=S/(1+r)nがあるが,ホフマン方式はカルプツォウ方式に比べ正確であり,ライプニッツ方式に比べ簡便であるという特徴がある。
執筆者:黒田 昌裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
無利息期限付債権の弁済期限の到来前に、その現在価額を算定する計算方法の一種。ドイツの医学統計学者F・L・ホフマンによって考案された。弁済期限到来時の債権の総額は、その債権の現在価額と、それを弁済期限まで運用することによって得られる中間利息との合計に等しいから、現在価額を算定するには、債権の総額から中間利息を控除しなければならない。ホフマン方式は、その控除を単利法によって行うもので、弁済期間中の利息をまとめて控除する単利単式((旧)ホフマン方式)と、年または月などの弁済期ごとに控除する単利複式(新ホフマン方式)とがある。なお、このほかに、債権の現在価額を求める方式には、複利複式によって中間利息を控除するライプニッツ方式がある。中間利息の控除額は、新ホフマン方式、(旧)ホフマン方式、ライプニッツ方式の順に多くなる。
これらの計算方法は、交通事故などの対人賠償事故の際に、被害者の将来の稼得可能所得(逸失利益)を算出する方法としても用いられることが多いが、どの方式を採用するかは、事例の内容や裁判所の判断などによってまちまちである。
[金子卓治]
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