ホフマン方式(読み)ホフマンホウシキ(その他表記)Hoffmann method

デジタル大辞泉 「ホフマン方式」の意味・読み・例文・類語

ホフマン‐ほうしき〔‐ハウシキ〕【ホフマン方式】

ホフマン式計算法

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改訂新版 世界大百科事典 「ホフマン方式」の意味・わかりやすい解説

ホフマン方式 (ホフマンほうしき)
Hoffmann method

単利法にもとづく,無利息期限債権満期前の時点での,その債権の現在価値を求める方式。すなわち,満期までn年ある債権があるとすると,その満期時の債権の名義額が,その債権の現在価値額とそれを残りn年間運用することによって得られる利子額の合計に等しいという,等価の原理によって算出する。つまり利子率を年率r(%)とし,債権の現在価値をP,満期時の名義額をSとすれば,単利法にもとづく利息計算から,P(1+nr)=Sが成立する。したがって,現在価値はPS/(1+nr)で求めることができる。このホフマン方式は,生命・身体の損傷などに対する損害賠償の算定の場合,将来の稼得可能所得を推計するために用いられることが多い。

 なお,債権の現在価値を求める方式には,カルプツォウ方式PS(1-nr)と複利で計算するライプニッツ方式PS/(1+rnがあるが,ホフマン方式はカルプツォウ方式に比べ正確であり,ライプニッツ方式に比べ簡便であるという特徴がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホフマン方式」の意味・わかりやすい解説

ホフマン方式
ほふまんほうしき
Hoffmann method

無利息期限付債権の弁済期限の到来前に、その現在価額を算定する計算方法の一種。ドイツの医学統計学者F・L・ホフマンによって考案された。弁済期限到来時の債権の総額は、その債権の現在価額と、それを弁済期限まで運用することによって得られる中間利息との合計に等しいから、現在価額を算定するには、債権の総額から中間利息を控除しなければならない。ホフマン方式は、その控除を単利法によって行うもので、弁済期間中の利息をまとめて控除する単利単式((旧)ホフマン方式)と、年または月などの弁済期ごとに控除する単利複式(新ホフマン方式)とがある。なお、このほかに、債権の現在価額を求める方式には、複利複式によって中間利息を控除するライプニッツ方式がある。中間利息の控除額は、新ホフマン方式、(旧)ホフマン方式、ライプニッツ方式の順に多くなる。

 これらの計算方法は、交通事故などの対人賠償事故の際に、被害者の将来の稼得可能所得(逸失利益)を算出する方法としても用いられることが多いが、どの方式を採用するかは、事例の内容や裁判所の判断などによってまちまちである。

[金子卓治]

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百科事典マイペディア 「ホフマン方式」の意味・わかりやすい解説

ホフマン方式【ホフマンほうしき】

無利息期限付債権の期限がまだ到来しないときに,その現在価額を算定する方法の一つ。ホフマン式算定法とも。債権の名義額をS,弁済期限までの年数をn,法定利率をiとすれば,債権の現在価額Pは,P=S/(1+ni)で算定される。生命・身体の侵害に対する損害賠償額の算定等に用いられ,具体的には被害者の推定年間収入,生活費など,就労可能年数で算出する。

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