日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボド」の意味・わかりやすい解説
ボド(民族)
ぼど
Bodo
インドのアッサム地方に住むチベット・ビルマ語族の人々の総称。平原カチャリ、山地カチャリ(ディマサ)、ガロ、ラバ、メチュ、ディマル、コチュ、クティヤ、ジャイジョング、ホジャイ、ラルング、モランなどの諸族からなり、人口総数は約120万人と推定される。かつてはボド人としての統一された文化をもっていたと考えられるが、現在では文化内容は一様でない。ヒンドゥー文化の影響を強く受けてカースト制度を取り入れている部族もある。一般には父系社会であるが、諸族のうちガロ人は母系である。ガロ人は、サンマとマラックとよばれる二つの胞族に分かれ、結婚は両者の間で行われる。サンマとマラックはそれぞれいくつかの母系血縁集団に分かれ、さらにそれがいくつかの村に分かれて住む。結婚は、特定のサンマの村とマラックの村の間で行われ、妻方居住婚をとるため、一つの村は、大部分が特定の血縁集団の女子成員とその未婚の男子、および特定の村から結婚によってきた男からなる。村長はその村の創始者の血縁集団の女の夫で、村長の地位は、村長の娘と結婚した村長の姉妹の息子に譲られる。
[板橋作美]