ボルタ電池(読み)ボルタデンチ(その他表記)voltaic cell

翻訳|voltaic cell

デジタル大辞泉 「ボルタ電池」の意味・読み・例文・類語

ボルタ‐でんち【ボルタ電池】

希硫酸溶液に、銅を正極亜鉛負極として入れた電池。1800年ごろボルタ発明。また、化学電池をさすこともある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ボルタ電池」の意味・わかりやすい解説

ボルタ電池 (ボルタでんち)
voltaic cell

1800年ごろA.ボルタが発表した最初一次電池電解液(希硫酸または食塩水)に2種の金属板(銅Cuと亜鉛Zn)を挿入した構造をもつ。よい電池とはいえないが,はじめて持続する直流電源が得られたため,これを用いて多くの電気化学現象が発見された点で重要な意味をもつ。また銅と亜鉛の円板を,ぬらした布を挟んで数回重ねて円筒状にしたものが,高い電圧を得るのに用いられた。これをボルタの電堆voltaic pileという。なお,化学電池を一般にボルタ電池ということがある。
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百科事典マイペディア 「ボルタ電池」の意味・わかりやすい解説

ボルタ電池【ボルタでんち】

銅を陽極,亜鉛を陰極とし,希硫酸を電解液とした一次電池。A.ボルタが発明。起電反応は2H(+/)+Zn→H2+Zn2(+/)。起電力約1.1ボルト。分極による電圧降下が著しいが,最初の電池としての歴史的意義は大きい。
→関連項目電池

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボルタ電池」の意味・わかりやすい解説

ボルタ電池
ボルタでんち
voltaic cell

イタリアの A.ボルタにより 1800年に発明された一次電池。亜鉛と銅を希硫酸につけ両者導線で結ぶと,陰極の亜鉛はイオンとなって溶解し,陽極では水素イオンが水素ガスとして発生し,電流が流れ電池となる。使用しないときでも亜鉛極は絶えず腐食溶解するので,今日では用いられないが,電気化学の発展に大きく寄与した。ボルタはカエルの筋肉についての電気現象に関する L.ガルバーニ実験ヒントを得たので,これをガルバーニ電池ともいう。

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化学辞典 第2版 「ボルタ電池」の解説

ボルタ電池
ボルタデンチ
voltaic cell

銅を正極,亜鉛を負極とし,希硫酸を電解液として組み立てられた一次電池.開回路電圧は約1.1 V である.1800年,A. Volta(ボルタ)により発明された現代に通じる最初の電池で,19世紀初頭,この電池を用いて種々の電解現象の研究や電気化学の基礎知識の解明が大いに進んだ.しかし,自己放電が大きいため,現在では実用的には用いられていない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルタ電池」の意味・わかりやすい解説

ボルタ電池
ぼるたでんち

電池

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