ポケット(英語表記)pocket

翻訳|pocket

デジタル大辞泉 「ポケット」の意味・読み・例文・類語

ポケット(pocket)

衣服などに縫いつけた袋状の小さな物入れ。隠し。
形状1に似た、くぼみ。ビリヤード球台の受け穴など。

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精選版 日本国語大辞典 「ポケット」の意味・読み・例文・類語

ポケット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pocket )
  2. 洋服や前かけ類、袋物などの外側内側に縫いつけた袋状の小さな物入れ。かくし。また、他の語と複合して、それがポケットにはいるほどの大きさである意を表わす。
    1. [初出の実例]「その衣袋(ポケット)中にただ一箇の奇尼あるのみ」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九)
  3. 所持金。小遣銭。ポケットマネー。
    1. [初出の実例]「実際出行くには懐中(ポケット)が余り悲しいのだから」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉一)
  4. 落ち込んだり空洞になったりしている部分。
    1. [初出の実例]「此れは熔岩の脈やポケットを指すと見られる」(出典:ルクレチウスと科学(1929)〈寺田寅彦〉六)
  5. ビリヤードで、玉突台四隅と長縁の中央二か所にある六つの玉受けの穴。また、その台で行なうゲーム。
  6. 競走球技で、他の選手にかこまれてしまい、前に抜けられない状態。また、そのようにしてじゃますること。
  7. ボウリングで、一番ピンと三番ピンの間(左投げの場合は、一番ピンと二番ピンの間)。最もストライクを取りやすいコース。

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改訂新版 世界大百科事典 「ポケット」の意味・わかりやすい解説

ポケット
pocket

衣服,エプロンなどにつける物を入れるための小袋。アングロ・ノルマン語のpokete,中世英語のpoketに由来する名称である。西欧ではポケットが衣服につくまでは,首回りの衿や頭巾,袖などに金などを隠していた。また貴族はオーモニエールaumonièreという絹製の小袋をベルトに吊るし農民や職人は麻製の袋をベルトに下げて必要な道具を入れていた。16世紀には男子のズボンに袋状の装飾コドピースcodpieceをつけるようになり,物を入れるのに利用された。17世紀には男子服のジュストコルの身ごろにポケットがつき,次いで胴衣のベストにもつけられた。19世紀半ばにはズボンの縫目にポケットがはさまれ,男子服に不可欠のものとなった。女性のポケットとしては,18世紀にスカートの下に袋を二つとりつけたひもを腰に巻き,スカートの脇から手を入れるようにしたものが現れたが,ハンドバッグが必需品となったため,ポケットは普及しなかった。衣服に定着するのは20世紀になってからで,テーラード・スーツにはポケットがつけられた。またデザイナーG.シャネルは,ポケットは装飾でなく実用であるという考えのもとに,スーツにポケットをつけた。今日では,流行やデザインによって多様な形のポケットが,衣服やエプロン,小物類につけられており,衣服の外側にとりつけるものをアウトサイド・ポケット,切込みを入れて内側につけるものをインサイド・ポケットと呼んでいる。前者にはパッチ(はりつけ)・ポケット,ウェルト(箱)・ポケット,雨蓋のついたフラップ・ポケットなどがある。なお,ポシェットpochetteは細く長めの紐をつけた小型のバッグで,本来は〈小さなポケット〉の意である。
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デジタル大辞泉プラス 「ポケット」の解説

ポケット〔化粧品〕

資生堂フィティット株式会社が販売する基礎化粧品のブランド名。パフに化粧水、クレンジング剤などをしみ込ませた使い切りのもの。

ポケット〔筆記具〕

プラチナ萬年筆株式会社の油性ボールペンの商品名。使用時に軸が伸びるスライド構造を採用。ストラップ付きもある。

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