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ポパー Popper, Sir Karl(Raimund)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポパー
Popper, Sir Karl(Raimund)

[生]1902.7.28. ウィーン
[没]1994.9.17. ロンドン郊外クロイドン
オーストリア生れのイギリスの哲学者。ウィーン大学で数学,物理学,心理学を学び,1949~69年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの論理学,科学方法論教授。ウィーン学団の影響から出発しながら,その帰納主義的経験論を退けて反証可能性 falsifiabilityによる理論の有効性テストを支持する立場をとり,20世紀の科学史,科学哲学の展開に大きな影響を与えるとともに,マルクスやヘーゲルなどの社会理論に対する批判によって社会哲学の分野でも大きな影響力をもった。著書『科学的探求の論理』 The Logic of Scientific Discovery (1934) ,『開かれた世界とその敵』 The Open Society and Its Enemies (45) ほか。

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大辞林 第三版の解説

ポパー【Karl Raimund Popper】

1902~1994) オーストリア生まれのイギリスの哲学者。「反証可能性」の理論に基づく科学方法論を展開して批判的合理主義を唱えた。また、自由主義的立場からマルクス主義をはじめとする全体主義的思想を批判。著「科学的発見の論理」「開かれた社会とその敵」「歴史主義の貧困」など。ポッパー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポパー
ぽぱー
Sir Karl Raimund Popper
(1902―1994)

イギリスの哲学者。7月28日、オーストリアのウィーンに生まれる。1918年からウィーン大学で、1925年からウィーン教育研究所で、哲学、数学、物理学、心理学を学び、1928年哲学博士。ユダヤ系の彼はナチス時代の1937年ニュージーランドに亡命し、1946年イギリスに移住。ロンドン大学(スクール・オブ・エコノミクス)講師を経て論理学と科学方法論の教授となる。1965年ナイト叙爵。最初の著書『探究の論理』(1934)で、科学(知識)は合理的な仮説の提起とその反証(批判)を通じて試行錯誤的に成長する、という「批判的合理主義」の認識論を提唱した。その後、この基本思想のもとに社会科学論、歴史論、人間論などを展開。「誤りから学ぶ」ことにより一歩一歩真理に近づくという考えは、現代の知的世界に広範な影響を与えた。主著は前記のほか『開かれた世界とその敵』(1945)『推測と反駁(はんばく)』(1963)『客観的知識』(1972)。[濱井 修]
『カール・R・ポパー著、久野収・市井三郎訳『歴史主義の貧困』(1961・中央公論社) ▽カール・R・ポパー著、大内義一・森博訳『科学的発見の論理』上下(1971、1972・恒星社厚生閣) ▽藤本隆志・石垣壽郎・森博訳『推測と反駁――科学的知識の発展』(1980/新装版・2009・法政大学出版局) ▽内田詔夫・小河原誠訳『開かれた社会とその敵』全2冊(1980・未来社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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