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マイスタージンガー Meistersinger

翻訳|Meistersinger

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マイスタージンガー
Meistersinger

工匠歌人」と訳される。 15~16世紀のドイツにおける文学的,音楽的運動とその詩人,音楽家たちをさす。 12~14世紀のミンネジンガーの運動を市民階級が受継いだものともいえ,彼らはほかに本職をもちながらマイスタージンガーのギルドに所属し,弟子,仲間,歌手,詩人,親方などに組分けされて,日曜や祭日に教会に集って歌を競った。その歌は無伴奏,単旋律で,バール形式に従っていた。 16世紀にはほとんど全ドイツに広まったが,16世紀末から急速に衰え,1878年メミンゲンでの解体により,消滅した。最も有名なのは H.ザックスの所属したニュルンベルクのもので,ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』はこれを素材にしている。 (→工匠歌 )

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デジタル大辞泉の解説

マイスタージンガー(〈ドイツ〉Meistersinger)

15~16世紀、ドイツで活躍した詩人兼音楽家。手工業者を中心とし、各都市に厳しい階級制からなる職能組合を作って名人芸を誇った。職匠歌人。工匠歌人。

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百科事典マイペディアの解説

マイスタージンガー

中世末期のドイツで活躍した詩人兼音楽家。かつては〈職匠歌人〉〈名歌手〉とも訳された。12−15世紀の宮廷歌人ミンネゼンガーのあとを受けてニュルンベルク,アウクスブルク,マインツ,シュトラスブルクなどの都市で手工業者を中心に14世紀から出現し,15−16世紀が盛期。同業組合的組織ができ,厳格複雑な法則に従って作詞,作曲,歌唱の技を競った。靴屋の親方H.ザックス,床屋のフォルツHans Folz〔1435から40-1513〕は有名。R.ワーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》はザックスをモデルにした作品。
→関連項目謝肉祭劇

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世界大百科事典 第2版の解説

マイスタージンガー【Meistersinger】

ドイツの中世都市で盛んになった文芸・音楽運動を担った詩人・歌人の呼称で,日本では〈職匠歌人〉〈工匠歌人〉とか〈名歌手〉と訳されてきたが,最近では原語のまま使われることが多い。この語の基礎になっているマイスターザングMeistersang(またはマイスターゲザングMeistergesang),いわゆる職匠歌は,騎士階級を基盤にしたミンネザングに対してドイツ諸都市の勃興を背景に,靴屋,仕立屋,織匠,金細工師等が組合を組織し,作詩,作曲,詠唱にわたる総合芸術としてつくりあげていったものである。

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大辞林 第三版の解説

マイスタージンガー【Meistersinger】

一五、六世紀に活躍したドイツの詩人兼音楽家。手工業者を主体とし、職能組合を形成して名人芸を誇った。転じて、名歌手の意。職匠歌人。

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世界大百科事典内のマイスタージンガーの言及

【詩】より

…スペインではゴンゴラの抒情詩,ポルトガルではカモンイスのソネットと叙事詩が書かれ,イタリアでもタッソやアリオストの叙事詩が相つぐ。ドイツでは,16世紀に栄えた市民文化からマイスタージンガー(工匠歌手)と呼ばれる詩人たちが現れ,その代表者H.ザックスは多数の歌曲や謝肉祭劇をつくった。宗教戦争の中からフランスのドービニェは激越な《悲愴曲》を書き,清教徒の立場からイギリスのミルトンは《失楽園》を書いた。…

【職人】より

…後代になると修了証書が身分証明書となったが,職人も親方も文字を読めなかった中世においては,それぞれの職種に固有な動作や身ぶりと口上が定められており,その動作や口上によって自分が所属する組合員であることが確認されたのである。このような身ぶりと口上の世界は,職匠歌人(マイスタージンガー)などにみられるように傑出した独自の歌唱の分野にも広がっていった。それぞれの組合が自分たちの職種こそ神に召された最高の仕事であるという賛歌をもち,また仕事の歌をもっていた。…

【ドイツ音楽】より

… 12世紀には,南フランスの騎士歌人トルバドゥールの影響を受けて,ドイツにも世俗騎士歌人ミンネジンガー(ミンネザング)が現れるが,ここではドイツ語がその旋律とリズムに影響を与えてドイツ人の音感覚を進展させる。その後を継いだ14世紀のマイスタージンガーではドイツ語がいっそう強く意識されて,次の時代への橋渡しをする。中世のドイツの多声音楽は,まだフランドル,フランス,イギリスを模倣する段階であったが,15世紀前半のパウマンKonrad Paumann(1415ころ‐73)らにおいて,ドイツ人が音楽理論にすぐれ,またオルガン音楽の分野で早くから独自の能力を発揮していたことを示している。…

【ドイツ文学】より

…14世紀には,ようやく興隆した都市を中心に復活祭劇や受難劇が演ぜられ,15世紀にはそれが世俗的な発展を示して謝肉祭劇Fastnachtsspielとなるが,その担い手となったのはギルドの職人たちで,実生活のなかから笑いのタネを見つけて寸劇にした。ハンス・ザックスらの職匠歌もこれと同じ基盤から生まれる(マイスタージンガー)。その一方散文は別の次元に育ちはじめ,法書《ザクセンシュピーゲル》がドイツ語で書かれたのが一つの実験となって,エックハルトなどの神秘思想家が思弁的表現の領域にこれを活用するようになり,ルターやミュンツァーなどの宗教改革者の論説によって深く民衆に浸透する。…

※「マイスタージンガー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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