四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「マグネシウム(Mg)」の解説
マグネシウム(Mg)
基準値
1.2~4.8mg/dℓ
慢性下痢や嘔吐、アルコールの多飲などで低値に
マグネシウムは、細胞内の酵素的反応(とくにATP産生に関わる経路)や、アミノ酸の活性化・蛋白合成に関与し、リポゾームの保全、RNAやDNAの合成反応、神経・筋における情報伝達などの働きをする電解質(陽イオン)です。
食物中のマグネシウムの約50%は腸で吸収され、血液中にあるマグネシウムはおもに
また、アルコールをたくさん飲むと、下痢をおこしやすくなって便中へのマグネシウムの排泄が増加し、血液中のアルコール濃度が高くなると、尿中へのマグネシウムの排泄が多くなり、低値になります。
一方、腎不全や尿毒症では、腎臓からの排泄が低下してマグネシウム値は高くなります。
とくに低値に注意
マグネシウムは、低くても高くても異常ですが、とくに低値(欠乏症)が問題になります。疲れやすい、脱力感、しびれなどを感じ、さらに低くなると筋肉のつれや収縮、ふるえなどが、また
筋肉や心臓、神経症状などを認め、マグネシウムが低値ならマグネシウム入りの点滴をし、その原因を明らかにするため血液検査などを追加します。
疑われるおもな病気などは
◆高値→各種腎疾患、脱水、ケトアシドーシス、アジソン病、ビタミンDやリチウム投与など
◆低値→小腸切除手術後、慢性下痢、アルコール依存、各種薬物(ゲンタマイイシン、カルベニシリン、アンホテリシンB、シスプラチン、シクロスポリンなど)
医師が使う一般用語
「マグネシウム」
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報