ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マケドニア戦争」の意味・わかりやすい解説
マケドニア戦争
マケドニアせんそう
Macedonian Wars
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紀元前3世紀末から4回にわたって繰り広げられたマケドニア王国とローマとの戦争。マケドニア王フィリッポス5世はギリシア全体の統一を企図し、イリリア地方に勢力を伸ばしていたローマと戦端を開いた。ローマはこの戦いに消極的で、フィリッポス優位のうちに第一次の戦争は終了(前215~前205)。ついで彼はシリアのアンティオコス3世と結んでエジプト侵略を図り、エーゲ海の島々、小アジア南西部に侵入した。ローマはフィリッポスをキノスファライに破り、第二次の戦い(前200~前197)を終えた。前171年に始まる第三次の戦争(前171~前168)は、フィリッポスの子ペルセウスとローマとの戦いである。前168年ピドナの戦いに勝利したローマは、東地中海世界における支配者としての地位を確立した。第四次の戦い(前149~前148)は、ローマの支配下で富裕層と下層民衆との格差が広がり社会不安が増すなかで、マケドニア王の末裔(まつえい)を自称するアンドリスコスが下層民衆と起こした反ローマ闘争であった。前148年この戦いもローマの勝利に帰し、マケドニアはローマ人の政務官による統治に服従すべき「属州(プロウィンキア)」とされた。
[田村 孝]
ローマとアンティゴノス朝マケドニアとの戦い。(1)第1次(前215~前205年)マケドニア王フィリッポス5世がハンニバルと同盟して交戦したが,勝敗はつかなかった。(2)第2次(前200~前197年)ローマの将軍フラミニウスがキノスケファレで戦勝した。(3)第3次(前171~前168年)マケドニア王ペルセウスがピュドナの戦いに敗れ,マケドニアが滅亡した。(4)第4次(前149~前148年)前王の遺子と称するアンドリスコスの乱で,敗戦後マケドニアはローマの属州となった。
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…その甥アンティゴノス3世はその勢力をギリシアに確立。その甥フィリッポス5世は東進するローマに対抗するためカルタゴのハンニバルと同盟,ローマと戦って一応の成功を収め(第1次マケドニア戦争,前215‐前205),シリア王アンティオコス3世と同盟しローマと戦ったが,ギリシア人の自由擁護をうたうローマの将軍に名をなさしめた(第2次マケドニア戦争,前200‐前197)。その子ペルセウスも父の志をついだが前168年決定的敗北を喫し,彼自身ローマで捕虜として死没,王朝は滅びた。…
…敗れたペルセウスはサモトラケ島に逃れたが捕らえられた。この戦いで第3次マケドニア戦争の勝利はローマに帰し,マケドニア王家による北部ギリシアの支配は終了した。この戦い以降,ローマの地中海世界に対する支配が完成したといわれる。…
…父の死後幼少のため叔父が摂政となり(前229‐前221),その死後王となり,ギリシア諸国との協調政策をとった。しかしイリュリアを征服して東進するローマに対し,ハンニバルとも同盟して戦い,いったんは和睦するが(第1次マケドニア戦争,前215‐前205),エーゲ海に進出してシリア王アンティオコス3世と同盟してローマに対した。のちギリシア人の支持を失い,最終的にはテッサリアのキュノスケファライでローマ軍に敗北し(第2次マケドニア戦争,前200‐前197),マケドニアは再起することができなかった。…
…一方イタリア北部に対しても,ボイイ族(前224‐前220),インスブレス族(前200‐前191)を破ってガリア・キサルピナを確保し,リグリア族(前197‐前154),ヒストリア族(前178‐前177),およびダルマティア海岸(前156‐前155,前129)を制圧,マッシリア(現,マルセイユ)からバルカン半島西岸に至る一帯を勢力下に入れた。 他方東部地中海に向かっては,アドリア海の海賊撲滅に続き,イリュリクム王国と2度の戦争(前229‐前228,前219)でこれを破ってイリュリクム海岸を勢力下に入れ,カルタゴの将軍ハンニバルの同盟者マケドニアの王フィリッポス5世と戦い(第1次マケドニア戦争。前214‐前205),これを制し,マケドニアの勢力回復におびえたロドスとペルガモンの求めに応じてローマは第2次マケドニア戦争(前200‐前196)に踏み切り,将軍フラミニヌスはテルモピュライでマケドニア軍を破った。…
※「マケドニア戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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