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マザー Mather, Cotton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マザー
Mather, Cotton

[生]1663.2.12. ボストン
[没]1728.2.13. ボストン
アメリカの牧師。 I.マザーの息子。母方の祖父は宗教家ジョン・コットン。4代にわたるマザー家のうち最も活躍した。 12歳でハーバード大学に入学,18歳で修士号を得た。 1685年父の跡を継いでボストンで牧師となり,激しい論争家として知られた。衰微しつつあったニューイングランドのピューリタニズムをなんとか維持しようと努め,その著書,論文は膨大な量に上るが,セーレムの魔女裁判を扱った『見えざる世界の驚異』 The Wonders of the Invisible World (1693) ,初期ニューイングランドの教会史『アメリカにおけるキリストの偉業』 Magnalia Christi Americana (1702) ,『善行録』 Bonifacius (1710) ,特異な精神生活を記録した『日記』 Diary (1911~12刊) などが有名。いち早く種痘の実施・普及に努めたことでも知られる。

マザー
Mather, Increase

[生]1639.6.21. マサチューセッツ,ドーチェスター
[没]1723.8.23. ボストン
アメリカ植民地時代の会衆派牧師,外交家,ハーバード大学学長。 R.マザーの第6子。 17歳でハーバード大学の学士号を取得,のちダブリンのトリニティ・カレッジに留学,イギリス各地で説教。 1660年の王政復古とともにアメリカへ帰り,61年ボストンで牧師となる。名誉革命の前後を通じイギリスにあって植民地の代弁者となり,新しい植民地特許状を獲得し,88~92年マサチューセッツ総督となった。 85~1701年ハーバード大学学長に就任。魔女狩りに反対し,魔女の処刑を停止させた。著書は,歴史,神学,伝記など 130冊以上。

マザー
Mather, Richard

[生]1596. ロートン
[没]1669.4.22. マサチューセッツ,ドーチェスター
イギリス生まれのアメリカの牧師。 15歳でリバプール付近の小学校の教師となり,オックスフォード大学で学んだのち,上記の地で聖職についたが,清教徒的傾向により教会の弾圧を受け,1635年にボストンに渡り,同地で活躍した。優れた説教師であり,また旧約聖書詩篇』の翻訳やニューイングランド組合教会の原則を定めた著作で知られた。6人の子供のうち,長男インクリースをはじめ4人が牧師になり,4代にわたるマザー家の始祖とされる。

マザー
Mather, John C.

[生]1946.8.7. バージニア,ロアノーク
アメリカ合衆国の物理学者。スワースモア大学で物理学を専攻し,1968年に卒業。 1974年にカリフォルニア大学バークリー校で博士号を取得した。その後,アメリカ航空宇宙局 NASAのゴダード宇宙研究所に入り,1976年から NASAゴダード宇宙飛行センターに移って,上席宇宙物理学者として勤めた。 1980年代にジョージ・F.スムートとともに NASAのプロジェクトとして宇宙背景放射探査衛星 COBEを開発 (→宇宙背景放射 ) ,同衛星は 1989年に打ち上げられ,宇宙を満たしている絶対温度 3K (カルビン) のマイクロ波の強度とゆらぎを測定した。このマイクロ波は宇宙ができる初期に形成されたとみられ,観測データにより,宇宙は少なくとも 100億年以上前に高温高密度の状態から始まったというビッグバン説が裏づけられた。さらに,現在の宇宙の構造の種も当時から仕込まれていたことが示された。この功績が認められ,マザーはスムートとともに 2006年のノーベル物理学賞を受賞した。

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大辞林 第三版の解説

マザー【mother】

母。母親。
女子修道院長。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マザー
まざー
John C. Mather
(1946― )

アメリカの物理学者。1974年にカリフォルニア大学バークリー校で物理学博士号を取得。アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターの上級天体物理学者。スムートとともに、科学人工衛星COBE(コービー)(宇宙背景探査機)によってビッグ・バン理論を裏づけた。二人は「宇宙マイクロ波背景放射の黒体性と異方性の発見」により、2006年のノーベル物理学賞を受賞した。
 宇宙は小さな点から爆発したビッグ・バンによって誕生し、いまなお膨張を続けているとされている。このビッグ・バン理論が正しければ、宇宙の果てから放射されてくる極低温の熱源が観測されるはずだと考えた。そして宇宙の進化とともに、銀河が密集しているところと空間とによって宇宙空間にはむらができているはずだと推測した。
 ところで熱をマイクロ波としてとらえることは、「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」として1964年に初めて観測されていた。この業績でペンジアスとウィルソンは、1978年にノーベル物理学賞を受賞している。
 マザーはこの研究成果を発展させ、COBEを1989年に打ち上げ、観測値が理論予想と一致することを確認した。それによると宇宙の背景の温度は絶対温度2.7K(零下270.4℃)という極低温であることを示した。スムートとマザーは、COBE衛星研究チームで宇宙背景放射のより精密な観測と解析の中心となって成果をあげた。宇宙の進化を研究するスティーブン・ホーキングは、COBEの成果を「20世紀最大の発見」とよんだほどである。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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