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マツバボタン

百科事典マイペディアの解説

マツバボタン

ブラジル原産のスベリヒユ科の春まき一年草。草たけ10〜20cmになり,茎は赤褐色で円柱形。葉は肉質円柱状で,長さ1〜2cm。夏〜秋,径約3cmの5弁花を晴れた日中だけ開く。
→関連項目熱帯植物

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世界大百科事典 第2版の解説

マツバボタン【Portulaca grandiflora Hook.f.】

原産地はブラジルとされているスベリヒユ科の一年草。ヒデリソウ(日照草),ツメキリソウともいう。英名はrose moss,garden portulaca,sun plant。日本には1864年(文久4)に渡来したといわれる。乾燥と暑さに強く,花が美しいので夏の花として親しまれている。高さ10cm。茎葉は多肉で円筒状。花は紫紅,紅,ピンク,白,黄,クリームなどと色彩が豊富で,一重咲きと八重咲きがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マツバボタン
まつばぼたん / 松葉牡丹
[学]Portulaca grandiflora Hook.

スベリヒユ科の不耐冬性一年草。ブラジル原産。属名はポーチュラカ。また、乾燥地を好むことからヒデリソウ(日照草)ともいう。茎や葉は多肉棒状、地面をはうように広がる。赤、桃、橙(だいだい)、白色、絞りなどで径約3センチメートルの5弁花を多数開き、美しい。八重咲きの品種もある。花は朝開きで、昼ころにはしぼむが、毎日咲きかわる。雄しべは多数あり、黄色の花粉で覆われるが、触れるとかすかな運動をおこす。これは訪花昆虫の体に花粉をこすり付けるためといわれる。
 4~5月に播種(はしゅ)し、一度植え替えたのち、花壇に定植する。日当りのよい、乾きぎみの所でよく育ち、一度つくると、翌年はこぼれ種子から生えてくるほどじょうぶである。[伊藤秋夫]

文化史

原産地のブラジルでは、11時の花flor das onze horasとよばれるが、それはこの花が早朝に開き、猛暑のもとでは11時ころに閉じる性質に由来する。このほか、雄しべに昆虫などが触れると雌しべに向けて運動する性質や、多肉質の葉が夕方から茎に沿って上向する一種の就眠運動などの特色をもち、特異な草花として知られている。世界に広がったのは比較的遅く、1829年イギリスの植物分類学者フッカーW. J. Hookerによって記載・発表された。前田曙山(しょざん)は『園芸文庫』第2巻(1903)で、「マツバボタンは余りよく繁殖するので、卑俗の花とされるが、花は美しく、不遇だ」と述べ、渡来当初は珍しく、西国のある大名が数十鉢を庭前に並べて展示、その鉢を守衛がうっかり倒したのでお手討ちになりかけた話を紹介している。曙山はオランダより寛文(かんぶん)年間(1661~73)に渡来したといわれているとしたが、これは疑問で、幕末ころに渡来したと推定される。白井光太郎(みつたろう)は『植物渡来考』(1929)のなかで『天保度後蛮舶来草木銘書(てんぽうどのちばんはくらいそうもくめいしょ)』(1859)に「スベリヒユ一種、桜咲きで、本紅、黄、紫の三種あり」と書かれているスベリヒユは、マツバボタンであるとしている。[湯浅浩史]

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