マフグ(その他表記)Fugu vermicularis porphyreus

共同通信ニュース用語解説 「マフグ」の解説

マフグ

体長40センチ程度で、トラフグより一回り小さい。身はあめ色で、癖がなく味わい深い白身。鍋の具材たたきにするとおいしい。筋肉と白子以外には毒がある。水深100~200メートルの海域に生息し、漁期は2~4月。萩近海では、見島沖「千里ケ瀬」が主な漁場となっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「マフグ」の意味・わかりやすい解説

マフグ (真河豚)
Fugu vermicularis porphyreus

フグ目フグ科の海産魚。サハリン南西部,北海道沿岸から東シナ海にかけて分布。どちらかといえば寒海に多い。皮膚には明らかな棘状(きよくじよう)突起がなく滑らかなので,ナメラフグ別名がある。体の背側はやや青みを帯びた灰褐色で,腹側は白く,側面に黄色の縦帯がある。胸びれ後方にトラフグに似た大きな黒色斑紋があるが,その周囲にトラフグのような白色の環はない。尾びれは後縁がわずかにくぼみ,緑色ないし黄色を帯びた褐色しりびれは黄色である。いずれのひれにも模様はない。全長50cmに達する。肝臓卵巣の毒性は強いが,筋肉と精巣はほとんど無毒とされる。味はトラフグには及ばないが,フグ料理の材料として珍重され,皮にとげがないのでとくに関東では昔から本種の皮つきの肉がなべ物として喜ばれる。
フグ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マフグ」の意味・わかりやすい解説

マフグ
まふぐ / 真河豚
[学] Takifugu porphyreus

硬骨魚綱フグ目フグ科に属する海水魚。樺太(からふと)(サハリン)以南、日本各地の沿岸、東シナ海に分布する。体の表面には小棘(しょうきょく)がまったくなく滑らかであるためナメラフグともよばれる。体の背側は暗褐色で腹側は白く、体側下方に黄色の縦線が1本走る。胸びれ後方の体側と背びれ基部に黒紋がある。幼魚や若魚には背側に多数の小白斑(はくはん)がある。臀(しり)びれは黄色。体長40センチメートル。肝臓と卵巣は猛毒、皮膚と腸は強毒、精巣は無毒である。

[松浦啓一]


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百科事典マイペディア 「マフグ」の意味・わかりやすい解説

マフグ

フグ科の魚。全長50cmに達する。皮膚にとげがないためナメラフグとも呼ばれる。胸びれ後方に大型の黒紋が1個。サハリン南西部〜日本各地,東シナ海に分布し,沿岸にすむ。味はトラフグには及ばないが,広くフグ料理に用いる。卵巣,肝臓等は有毒。時として干物による中毒が起こるが,これは肉中の微量の毒のためと思われる。
→関連項目フグ(河豚)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マフグ」の意味・わかりやすい解説

マフグ
Takifugu porphyreus

フグ目フグ科の海水魚。全長 50cm内外。体の背面は暗褐色,腹面は白く,尻鰭が黄色を帯び,胸鰭近くに顕著な黒斑がある。皮膚には小棘がなく体はなめらか。北海道以南,日本海,東シナ海,黄海に分布する。卵巣,肝臓などに猛毒をもつが,筋肉は無毒で食用とされる。

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世界大百科事典(旧版)内のマフグの言及

【トラフグ(虎河豚)】より

…フグ目フグ科の海産魚(イラスト)。オヤマフグ(和歌山),ゲンカイフグ(大分)などの地方名がある。分布範囲は北海道南部から朝鮮半島,台湾,中国近海にわたるが,本州中部以南に多い。…

※「マフグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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