コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

マラータ王国 マラータおうこく Marāthā

翻訳|Marāthā

2件 の用語解説(マラータ王国の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マラータ王国
マラータおうこく
Marāthā

中世インドの王国。マラータとは,広義ではマハーラーシュトラ地方人一般をさし,マラータ王国はこの意味で使われる。狭義ではそのなかで農業,軍事を職掌するマラータ・カーストをさす。 17世紀,マハーラーシュトラ西部のプーナの近くの領主の子として生れたシバージーは,周辺のマラータ・カーストを結集し,アーディル・シャーヒー王国から離れて勢力を広げ,南進してきたムガル帝国の軍隊を討って,1674年,ラーイガルで即位式を行い,マラータ王国を建設した。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マラータ王国
まらーたおうこく
Martha

インド中央部、デカン高原を中心として、1674年シバージーによって創始されたヒンドゥー王朝。17世紀前半のデカン地方には、いわゆるデカン・ムスリム諸王朝が割拠していたが、在地には主として郷主(デーシュムクDeshmukh)とよばれる人々を中心とする土豪的勢力が成長していた。ビジャープールのアーディル・シャーヒー王国の有力な武将であったシャーハジーの次男に生まれたシバージーは、1840年代から、父の封地のあったプーナ地方を拠点として、これらの在地豪族層を組織し、アーディル・シャーヒー王国と敵対し始めた。プーナ周辺には「十二谷地方」(バーラー・マーワル)とよばれる山岳地帯があり、シバージーはここを本拠として山岳ゲリラ戦を行いながら勢力をしだいに拡大していった。当時、北からのムガル帝国による圧迫にも苦しんでいたビジャープール王国は、シバージーの活動を抑えるだけの実力をもっていなかった。こうしてスワラージャとよばれる本領を確立したシバージーは、1674年ラーイガルの山城でヒンドゥーの作法にのっとって即位の灌頂(かんちょう)を挙行し、マラータ王国を建国した。1680年シバージーが死ぬと、ムガル帝国の圧迫がさらに強まり、その子サンブージーは1689年ムガル軍に捕らえられて処刑された。その後サンブージーの弟ラージャラームが第3代王(在位1689~1700)となり、ムガルの攻撃を逃れてはるか南方のジンジに移って抵抗を続けた。1699年ごろになると、マラータの在地勢力はムガルを押し返し始め、ラージャラーム王もサーターラ城に戻って、マラータ勢力は回復した。
 1707年ムガル帝国第6代皇帝アウランゼーブが死ぬと、ムガルはデカン地方から軍を返すことに決定し、それまでムガル宮廷で育てられていたサンブージーの息子シャーフーを放免した。そのため、ラージャラームの息子シバージー2世を支持する勢力と、シャーフーを支持する勢力とに分かれて抗争が起こったが、結局シャーフーをマラータ王とすることとなり、シバージー2世はコルハプールの分国を与えられた。シャーフーがデカン地方の状況に疎かったこともあって、政治の実権はその宰相バーラージー・ビシュワナートが掌握することとなり、その後この家系が宰相(ペーシュワー)位を世襲するようになった。とくにシャーフー王の死(1749)後は、マラータ王は完全に名目的存在と化し、むしろ宰相によってサーターラに幽閉されているというほうがよい状態となった。こうしてマラータ勢力の中心はプーナの宰相府に完全に移ったのである、それに伴いマラータ勢力の内実は、宰相府を中心としてマラータ諸侯が連合体を形成するという形をとるようになった。こうしてマラータ王国は、なし崩し的な形でマラータ同盟へと変質していった。[小谷汪之]
『小谷汪之他著『世界の歴史 24 変貌のインド亜大陸』(1978・講談社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

マラータ王国の関連キーワードナーグプルペーシュワーマラータマラーター同盟ジョホール王国マラーター戦争ムラカ王国ラクシュミー・バーイーマラーター王国マラーティー文学

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone