マーチャンダイジング(その他表記)merchandising

翻訳|merchandising

デジタル大辞泉 「マーチャンダイジング」の意味・読み・例文・類語

マーチャンダイジング(merchandising)

消費者の欲求に適合するような商品を、適正な数量・価格で、適切な時期・場所に供給する企業活動商品化計画商品政策。MD。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「マーチャンダイジング」の意味・読み・例文・類語

マーチャンダイジング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] merchandising ) 流通業で、商品の仕入れ及び品揃えのこと。製造業においては、製品を市場需要動向にあわせてデザイン、包装、値付け、品質・用途の決定などの商品化計画によって、売れる商品に仕上げること。〔企業をのばす情報管理(1965)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「マーチャンダイジング」の意味・わかりやすい解説

マーチャンダイジング
merchandising

消費者は,商品を購入するとき,できるだけ自己の欲求を満足させるように商品を選択する。このような消費者の求めに応じて,適切な商品を市場に提供する企業活動がマーチャンダイジングである。1961年のアメリカマーケティング協会の定義によれば,〈マーチャンダイジングとは,企業のマーケティング目標を実現するのに最も有効な場所,時期,価格,および数量で,特定の商品またはサービスを市場に送り出すことに伴う計画と管理である〉としている。これからすると,マーチャンダイジングは製造業,流通業の両方にまたがる広い概念であるが,一般には,卸売業小売業で,品ぞろえや商品仕入れのための計画や管理の意味で使われている。これに対して,製造業ではもっぱら製品計画という言葉が用いられている。マーチャンダイジングは,流通業者が生産と消費の間に立って,消費者の求め(需要)に応じて商品を取りそろえて販売する(供給)ことにより,市場における需給の出会いと調節(マッチング)機能を果たしている。今日のように,外国製の製品を含めて供給される商品の種類が多くなり,消費者のニーズ多様化してくると,流通業者がつねに消費者の求める商品を取りそろえておくことは困難となってきている。また,欲求の多様化が商品の個性化を促進し,一時のように大量生産された商品を大量販売につなげることもむずかしい。このため,消費者にこたえようとすれば多くの在庫を余儀なくされ,経営効率を考えて品ぞろえの幅を縮小すれば顧客を失うことになる。このジレンマを解消し,消費者の欲求を満たしながら流通在庫を少なくするためには,商品ごとに需要の動向を敏感にキャッチする情報システムと,その変化を供給に迅速に反映させる垂直的に統合された流通システムを構築する必要がある。小売店の店頭に設置されたPOSpoint of sales)システムからのデータは,最適なマーチャンダイジングのための有力な指標となっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マーチャンダイジング」の意味・わかりやすい解説

マーチャンダイジング
まーちゃんだいじんぐ
merchandising

マーケティング活動の一部をいい、商品化計画と訳すこともある。これは、市場調査のような科学的手法をもとにして、市場の需要に適合した製品またはサービスを適正な時期と場所で、また適正な価格で流通させるための体系的施策をいう。その具体的内容は、製造業者の場合と流通業者の場合とでは大きく相違する。製造業者の場合には、この内容はプロダクト・プランニングないし製品計画に相当する。そのため、マーチャンダイジングという用語はほとんど使用されない。プロダクトプランニングとは、顧客の希求する需要内容を正確かつ敏速にとらえ、顧客満足(CS)を実現するような製品の量、質、価格、供給時期、供給方法を計画することをいい、その計画の基本内容は、新製品開発計画と既存製品廃棄計画とから構成される。これに対し、流通業者の場合には、自ら製品を生産しないから、狭義には商品選定と仕入計画からなる品ぞろえになり、広義にとれば価格決定(値入れ、マークアップ、すなわち仕入原価にどれだけマージンを加えるか)、陳列・展示、販売促進などが加わる。いずれにせよ、製造業者と流通業者の相違は、製品開発をするか否かにある。しかしこのことは、流通業者が受動的マーチャンダイジングしかできないことを意味するものではない。製造業者への市場情報の供与や流通業者ブランド製品の存在がそれを証明している。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「マーチャンダイジング」の意味・わかりやすい解説

マーチャンダイジング

製品計画,商品化計画などと訳。商品の供給について品目,価格,時期,数量などを消費者の需要に適合させるための計画。その目的はマーケティング・リサーチを参考にして,製品の品質,デザイン,新用途の開拓,製品ラインの拡張・合理化などを検討し,売れる製品を作ることにある。→POS
→関連項目広告代理業

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

マーケティング用語集 「マーチャンダイジング」の解説

マーチャンダイジング

企業のマーケティング目標を実現するために、製品やサービスを最適な場所、時期、価格、数量で市場に提供するための計画と管理のこと。
流通業、小売業における重要な要素で、仕入計画や販売管理などとともに、商品力をいかに高めるかが重要となります。
商品力の構成は
・商品品揃え力 : 主力商品を中心とした商品展示数、アイテム数が最適化されているか
・商品構成力 : 売れ筋の商品を適切に配置できているか
・価格競争力 : 競合に比べ価格競争力が十分にあるか
・価格訴求力 : 売り場で価格が顧客にしっかりと伝わっているか
・価値提案力 : 販促ツールなどで商品の価値がしっかりと伝えられているか

出典 (株)マインズマーケティング用語集について 情報

DBM用語辞典 「マーチャンダイジング」の解説

マーチャンダイジング【merchandising】

正しい商品(Right goods)や正しいサービスを正しい場所(Right place)に、正しい時期(Right timeing)に、正しい量(Rightquantity)で、正しい価値(Right price)でマーケティングするプランニング。いわゆるファイブ・ライト(5 Right)である。アメリカ・マーケティング協会は「マーチャンダイジングは主として卸売業、小売業で用いるものであり、製造業ではプロダクト・プランニング、プロダクト・マネジメントと呼ぶ」と述べている。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティングDBM用語辞典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「マーチャンダイジング」の解説

マーチャンダイジング

マーケティング戦略。価格や販売形態を決定する際のプロセスのこと。市場調査に基づく合理的な販売促進策。例えば種類が類似した商品を販売する際、マーケティング戦略と販売がズレていると、プロモーションや価格戦略が適切であっても、対象とする顧客を満足させることが出来ない。販売機会を逃さないためには、品揃えや仕入れ、在庫などを対応させる必要がある。最近は、ITを駆使して、品揃え、棚割り、仕入れ発注など、一連の商品化計画を自動的に行なうシステムが開発され、現場の第一線で活用されている。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

知恵蔵 「マーチャンダイジング」の解説

マーチャンダイジング

卸売業者や小売業者のような流通業者が、そのマーケティング目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること。商品化計画ともいう。かつては、生産者による最適製品ミックスを実現するための活動を意味することもあったが、近年ではこれをプロダクト・プランニングと呼んで区別している。また小売店舗における商品化計画はインストア・マーチャンダイジングと呼ばれている。

(懸田豊 青山学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブランド用語集 「マーチャンダイジング」の解説

マーチャンダイジング

マーチャンダイジングとは、市場の動向を把握し需要を刺激するよう計画し生産、販売を行うために行う、商品化計画のことをいう。

出典 (株)トライベック・ブランド戦略研究所ブランド用語集について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーチャンダイジング」の意味・わかりやすい解説

マーチャンダイジング

製品計画」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android