ミブナ(読み)みぶな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミブナ」の意味・わかりやすい解説

ミブナ
みぶな / 壬生菜
[学] Brassica rapa L. subvar. oblanceolata Kitam.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の越年草。各地に栽培されるカブのなかから、葉を利用する、いわゆるツケナ漬菜)類として分化したもの。キョウナにごく近縁で、キョウナB. rapa L. var. nipposinica (L.H.Bailey) Kitam.(B. rapa L. var. laciniifolia Kitam.)と同じ学名をあてることもある。江戸時代初期から京都の壬生(みぶ)でつくられていたといわれる。同じ株から多くの根出葉を束生するが、その数はキョウナよりは少なく、また、葉身はキョウナのような切れ込みがなく、葉質もやや厚く、濃緑色である。葉は特有の辛味と香りがあり、もっぱら漬物用とされる。ほとんどが関西地方で栽培される。9~10月に播種(はしゅ)し、やや晩生(おくて)で、12月に入ってから収穫を始める。キョウナとの間に種々の雑種ができている。

[星川清親 2020年12月11日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ミブナ」の意味・わかりやすい解説

ミブナ (壬生菜)
Brassica campestris L.var.lanciniifolia

アブラナ科の一・二年草。ミズナキョウナ)の一種で,葉に欠刻のないものをとくにミブナという。京都の特産で壬生(みぶ)寺付近(現,京都市中京区南西部地区)で数百年前から作られていたものである。ミブナは京都以外ではほとんど作られていない。最近は欠刻のあるミズナよりミブナの栽培が増えてきている。分げつ性が強く,細長く,先が丸い葉を多数つける。葉色は濃緑色で,茎は細く水分が多く軟らかい。秋から冬にかけて作るが,うね間に水を入れて栽培する。辛みと独特の風味があり,ミズナと同様に水たきやすき焼などのなべ物によく,とくにクジラなべに好まれる。そのほか煮物,漬物用として広く利用される。
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ミブナ

ミズナ

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