ミリセチン

化学辞典 第2版 「ミリセチン」の解説

ミリセチン
ミリセチン
myricetin

3,5,7-trihydroxy-2-(3,4,5-trihydroxyphenyl)-4H-1-benzopyran-4-one.C15H10O8(318.24).フラボノール一種.配糖体ミリシトリン(3-ラムノシド)としてヤマモモMyrica rubra樹皮,シナノガキDiospyros lotusの葉,アカショウマAstilbe thunbergii var.congestaの根茎などに含まれる.濃黄色の針状晶.融点357 ℃.λmax 254,374 nm(メタノール).エタノールに易溶,熱水に難溶,クロロホルム酢酸にはほとんど不溶.FeCl3によって黒褐色を呈し,酢酸鉛で橙赤色沈殿を生じる.[CAS 529-44-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミリセチン」の意味・わかりやすい解説

ミリセチン
myricetin

3,3′,4′,5,5′,7-ヘキサヒドロキシフラボンに相当する。融点 357℃の黄色針状晶。ヤマモモの樹皮から見出された。ミリシトリン (ミリセチンの3-ラムノース配糖体) とともに樹皮に含まれている。ミリセチンはエチルアルコールに溶け,熱水にはわずかに溶けるが,クロロホルム,酢酸などには難溶である。ヤマモモの樹皮はこの色素タンニンを含んでいるので,古くから黄色ないし褐色の染料として利用された。 (→フラボノイド )

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栄養・生化学辞典 「ミリセチン」の解説

ミリセチン

 C15H10O8 (mw318.24).

 フラボノールの一つで,配糖体として植物界に広く分布している.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のミリセチンの言及

【ヤマモモ】より

…【岡本 素治】
[薬用]
 日本で開発された生薬で,樹皮を楊梅皮(ようばいひ)という。タンニン,フラボノイドのミリセチンmyricetinやミリシトリンmyricitrinを含む。収斂(しゆうれん)および利尿作用があり,下痢,打撲症に内用,また単独で用いた煎湯はヒ素の中毒を中和し,火傷,疥癬(かいせん)などの皮膚病に外用して効果がある。…

※「ミリセチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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