ビルマ(現、ミャンマー)を代表する国際的な経済学者。ビルマのバセイン(パテイン)に生まれる。ラングーン大学(現、ヤンゴン大学)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスを卒業。ラングーン大学経済学部教授、ビルマ政府経済顧問を務めたのち、1958年からラングーン大学学長の職についていたが、ビルマの社会主義化と相いれず、1961年以降主として欧米で活躍、エール、コーネル、ウィスコンシン各大学の客員教授、オックスフォード大学教授を経て、1966年から1985年までロンドン・スクール・オブ・エコノミックス教授。とくに開発途上国経済論で著名であり、主著は『開発途上国(低開発国)の経済学』The Economics of the Developing Countries(1964)であるが、ほかにアジア開発銀行の委嘱を受けて監修した報告書『70年代の東南アジア経済』Southeast Asia's Economy in the 1970's(1970)の「総論」(第1章)、論文集『低開発国の経済理論』Economic Theory of Underdeveloped Countries(1971)などの著作が広く知られている。
[村上 敦]
『結城司郎次・木村修三訳『低開発国の経済学』(1965・鹿島研究所出版会)』▽『小島清監訳『70年代の東南アジア経済』(1970・日本経済新聞社)』▽『渡辺利夫他訳『低開発国の経済理論』(1973・東洋経済新報社)』▽『木村修三・渡辺利夫訳『開発途上国の経済学』(1981・東洋経済新報社)』
ビルマ(現,ミャンマー)の経済学者。ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスに学んだ後,ビルマのラングーン大学創設に参加。オックスフォード大学教授(1950-65)を経て1965年以降ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス経済学部正教授。この間,ラングーン大学総長,国際連合のコンサルタントとして活躍し,発展途上国経済の権威として知られる。主著は《発展途上国の経済学》(1964)であるが,ほかに《低開発国の経済理論》(1971)がある。また《1970年代の東南アジア経済》(1971)のなかの〈ミント・レポート〉は有名。これらの著作では,正統的な静態的最適理論に基づき,発展途上国内における経済組織の枠組みと機能を効率的に改善する政策の重要性が主張されている。
執筆者:村上 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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