ムーアの法則(読み)むーあのほうそく

  • Moore's law
  • ムーアのほうそく〔ハフソク〕

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

半導体の集積密度は18~24カ月で増し、チップは処理能力が倍になってもさらに小型化が進むという法則。世界最大の半導体メーカーであるインテル社創設者のひとりであるゴードン・ムーア博士が1965年に経験則として提唱したことに由来する。法則によれば、半導体の性能指数関数的に向上するが、実際には、集積密度の向上ペースは鈍化している。このため、「集積密度」を「性能向上」に置き換えることで、法則は現在でも成立しているとされている。最近は価格対性能比で、18カ月で2分の1になるともいわれている。

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知恵蔵の解説

シリコン集積回路の集積密度が2年でほぼ2倍になるという経験則。1965年、米インテル社のゴードンムーアがプロセッサー・チップに使われるトランジスタ数が1年で2倍になると予測したことに由来する。その後40年間、このトレンドに沿って半導体技術が進展しているのは驚異的。これは、トランジスタ微細化・高集積化により、トランジスタの単価が下がると同時に性能も向上するため。今後も当分、このトレンドは続くと予想されている。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

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法則の辞典の解説

コンピュータの性能を示す諸指数は,2年ごとに2倍となる」.後にインテル社の創始者となったムーア(G. E. Moore)が,1960年代に将来を予見してのべた「法則」だといわれる.

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知恵蔵miniの解説

半導体メーカーの開発競争によって、半導体の集積密度が18~24カ月で倍増するという経験則。1965年、アメリカの半導体メーカー、インテル社の創設メンバーのひとりであるゴードン・ムーアが提唱した。集積密度は回路上の素子を微細化することで高められ、40年以上にわたってコンピューターの中央演算処理装置の高性能化と低価格化に貢献してきた。しかし、素子の微細化が物理的に限界に近づき、消費電力も増大したことから、ムーアの法則は2010年代後半には終焉するとの見方が強まった。米国半導体工業会は2015年の報告書で、微細化は2021年に限界を迎えると予測している。

(2019-6-6)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

集積回路において,シリコンチップあたりのトランジスタ数(集積度)が毎年 2倍になるというアメリカ合衆国の技術者ゴードン・E.ムーアの予測。ムーアは 1965年,単一チップ上に 64個程度であったトランジスタ数が,10年後の 1975年には 2の 10乗倍,つまり約 1000倍の 6万5000個程度になるだろうという予測を "Electronics"誌に掲載して話題になった。その予測は当時の半導体の集積技術の加速度合いに基いたものであったが,のちに加速はやや鈍り,ムーアはトランジスタ数が 2倍になる期間を 2年に修正した。しかし,集積度が指数的に増加するという状況の本質はとらえていた。半導体の集積度の加速はいつか頭打ちになるという見方がこれまで何回も取りざたされたが,たび重なる技術革新によってこの法則は続いてきたとされている。近年は,数十nmスケールでの 3次元LSI集積化技術(→3次元回路素子)の研究が進み,2010年頃になると,単一チップあたりのトランジスタ数は十億個をこえ始めた。他方,こうした微細化技術によるトランジスタの集積度がコンピュータの性能の指標として適切かどうかについては議論がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

半導体の集積度に関する経験則に基づいた将来予測。インテル社の共同創設者であるムーアGordon E. Moore(1929― )が、フェアチャイルド・セミコンダクター社Fairchild Semiconductor在籍時の1965年に、エレクトロニクス・マガジン誌Electronics Magazineに出した論文で示したとされる。
 その論文では、集積回路で使われるトランジスタ数が、1959年以降、1年間で倍増していることに着目。その状況が維持され、10年後の1975年には約6万個の素子が集積回路に載るだろうと予測し、その予想通りの展開がみられた。また、1975年になって、さまざまな要因から進行が鈍化していることに気づき、その後の予測を2年で2倍になると修正した。この予測が本来のムーアの法則とされている。最初にこのようによんだのはムーア自身ではなく、カリフォルニア工科大学教授のミードCarver A. Mead(1934― )であった。
 インテルによると、1971年に発表した4004マイクロプロセッサーのトランジスタの数2300個から、2008年のCore i7(コアアイセブン)プロセッサーの7億7400万個になるまでの間に、約25か月ごとに2倍の割合で増えてきており、ムーアの法則をほぼ実証している。
 コンピュータの性能向上の指針として、1年半(18か月)で倍増するという経験則をムーアの法則とする記述も多くみられるが、ムーアはそのような予測をしていない。ムーア自身は、インテル社の幹部だったハウスDavid Houseによる「コンピュータの性能が18か月ごとに2倍になる」という予測と混同したものではないかと指摘している。
 いずれの場合も理論や技術によって実証されたものではないが、現実の推移とほぼ合致しているため、広く用いられている。[編集部]

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