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モグラ モグラ Talpidae; mole

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モグラ
モグラ
Talpidae; mole

食虫目モグラ科の動物の総称。ユーラシア大陸と北アメリカに分布する。体には毛が密に生え,尾と前後肢が短い。前肢の爪はがんじょうで鋭く,土を掘るのに適している。耳介がなく,眼もきわめて小さい。

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百科事典マイペディアの解説

モグラ

食虫目モグラ科の哺乳(ほにゅう)類の総称。日本にはアズマモグラコウベモグラミズラモグラなどがいる。アズマモグラは体長12〜16cm,尾長1.4〜2.2cm。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モグラ
もぐら / 鼠・土竜
mole

哺乳(ほにゅう)綱食虫目モグラ科モグラ亜科に属する動物の総称。この亜科Talpinaeの仲間はヨーロッパからアジアに分布し、ヨーロッパモグラ属Talpa、アルタイモグラ属Asioscalops、ミズラモグラ属Euroscaptor、ニオイモグラ属Scaptochirus、ニホンモグラ属Mogeraの五つに分けられるが、前3属をまとめてTalpaとする考えや、すべてをTalpa1属とすることもある。全部で14種ほどが知られ、日本には中国地方および本州中部以北の山地に分布するミズラモグラE. mizura、本州中部以北一帯および中国、紀伊半島、四国などの山地に孤立分布するアズマモグラM. wogura(山地性小形変異群をコモグラという)、佐渡島と越後(えちご)平野の一部にいるサドモグラM. tokudae、本州中部以南、四国、九州、隠岐(おき)諸島、対馬(つしま)、種子島(たねがしま)、屋久島(やくしま)に分布するコウベモグラM. kobeaeの4種がある。[阿部 永]

形態

頭胴長は、もっとも小形種の一つミズラモグラで8~10.5センチメートル、もっとも大きいマンシュウモグラで14~18センチメートルあり、尾は短くそれぞれ2~2.6センチメートルと1.9~2.1センチメートルで、むしろ前者のほうが長い。体の大きさは同種でも地方によって著しく異なり、たとえば長野県伊那谷(いなだに)のコウベモグラの体重は鹿児島や種子島のものの約2倍である。また山地のモグラは広い沖積平野のものより小形である。体は太く頑丈で頸(くび)が短く、目は退化して皮下に埋まり、耳介を欠く。前足は大きく、丸いシャベル状に変形し、指に強大なつめをもつ。毛は柔らかく密で、地上性動物のような毛並みの方向性が少ない。これらはいずれも地下生活に適応した性質である。頭骨は細長く、歯数はヨーロッパモグラ属、アルタイモグラ属、ミズラモグラ属が44本、ニオイモグラ属40本、ニホンモグラ属42本である。
 北アメリカには外形がユーラシアのモグラにきわめて類似したセイブモグラやトウブモグラがいるが、これらは頭骨や歯が異なり、まったく別系統の、ヒミズ亜科の動物である。[阿部 永]

生態

モグラは地下の生活にきわめてよく適応した仲間であるが、移動や採餌(さいじ)の大部分をトンネル内でしなければならないため、土壌の条件が生息環境としてきわめて重要となる。小形の原始的なミズラモグラは土壌が浅く、進歩した大形のモグラが少ない山地の森林にすみ、生息数も多くない。コウベモグラやアズマモグラは土壌の深い沖積平野、なかでもとくに湿った河畔や水田のあぜなどにおいてもっとも生息数が多い。餌(えさ)となる土壌動物は地中でも表層、とくに落葉層直下の腐植層に多いため、採餌用のトンネルはこの部分に多い。巣穴はさらに深い所につくり、木や草の広葉を使って丸い巣をつくる。主食はミミズと昆虫で、このほかにムカデ、ヒル、草の種子などを少量食べる。モグラは通常単独で生活し、一つのトンネル組織には1頭がすんでいる。しかし、繁殖期の雄は広い行動域をもち、1か所で数頭もとられることがある。ヨーロッパモグラのホームレンジは210~720(平均450)平方メートルであるといわれる。また、雄は繁殖期に体下面の皮膚腺(せん)から橙(だいだい)色の分泌物を出すので毛が橙色に染まり、そのにおいはマーキングに使われると思われる。モグラは昼夜ともに活動するが、ヨーロッパモグラでは、平均3.5時間の休息と4.5時間の活動期からなる8時間単位の生活リズムがある。またトンネル内は温度・湿度の変化が少ないため、そこにすむモグラは体温調節力の範囲が狭く、トンネルの外に出すと死にやすいのはこの生理的特徴が関係している。通常春に繁殖し、約40日の妊娠期間ののち2~9子(平均約4子)を産む。しかし、シベリアのアルタイモグラは夏に交尾するが、受精または胚(はい)の発生が遅れ、出産は翌春になるといった、ある種のコウモリに似た繁殖様式をもつ。子は約1か月で巣立ちし、翌春に成熟する。寿命は最長4年である。[阿部 永]

人間生活との関係

進歩したモグラほど生息のために深い土壌を必要とするが、そのような土地は通常、農耕域と一致する。モグラは食虫類であるため、通常、農作物を食害することはないけれども、苗床の下にトンネルを掘ることによって苗の成長を阻害することがあり、とくに近年はビニルハウスなどに入り、同様の害が問題になることがある。毛皮は比較的良質であるため、ヨーロッパでは利用される。[阿部 永]

民俗

モグラは、ヨーロッパでは地下にすむ植物の精霊として扱われ、隠れた自然の支配者とされる。また、古代ギリシアから近代に至るまで、盲目であると広く伝えられてきた。ギリシア神話では、太陽神へリオスは、息子たちを盲目にさせた罰として、モグラに変えられたという。スペインには、モグラは目と尾を交換したので、盲目であるという伝えもある。わが国では、モグラは太陽に当たると死ぬと言い伝えられる。モグラを殺してはならぬと、その盛り土を掘り、穴を壊すのを忌む風習もある。モグラは、照りつける太陽を弓矢で射ようとしたために罰を被り、太陽を恐れて地中に潜るとする由来談もある。室町時代の物語草子『月日(つきひ)の本地(ほんじ)』にも、継子話(ままこばなし)の結末として、継子の姉妹は日と月になり、継母はモグラに化して地下にすみ、日月の光に当たるとたちまち死ぬとある。この類の話はイギリスやフランスにもある。自尊心や思い上がりに対する罰として、モグラに変えられた女の話である。人間のような前足が、人間からの変化の証拠とされる。ドイツでは、モグラは魔性と結び付く。ボージュ山脈の妖精(ようせい)はキリスト教の司祭を恐れ、祈願してモグラの姿になった。なお、モグラの害を防ぐために、各地で種々の行事が行われるが、ドイツのモグラの盛り土たたきは、わが国の土竜(もぐら)打ちと同形態である。土竜打ちは、小正月(こしょうがつ)、節分、十日夜(とおかんや)(10月10日)などに行われる。子供たちが、藁束(わらたば)で田畑・屋敷の土を打ち回ったり、藁打ちの横槌(よこづち)を引いて回ったりしてモグラの害を防ぐ予祝行事である。[小島瓔

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