モノー(Gabriel Monod)(読み)ものー(英語表記)Gabriel Monod

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モノー(Gabriel Monod)
ものー
Gabriel Monod
(1844―1912)

フランスの歴史家。ル・アーブルに生まれる。パリ大学を卒業後、高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)の助手を経て、教授に就任。学界の世話役を演じ、1876年に『ルビュ・イストリック』(歴史評論)誌を創刊。同誌は正統史学の本流として、フランスのみならず、諸外国の歴史家をも会員に吸収し、アカデミスムの牙城(がじょう)を形づくった。手堅い考証や史料操作や事実の検証に基づく論文のほか、学界動向や書評を載せ、没後現在に至るまで、各国の史学者に問題意識や論題を提供し続けている。モノーの専門は中世史で、主著に『メロビング史の史料批判』二巻(1872~85)がある。そのほか『ジュール・ミシュレ』二巻(1875)や『歴史の巨匠 ルナンテーヌ、ミシュレ』(1894)をはじめ、19世紀の史家の評伝をも何編か残し、史学史に貢献した。どの評伝もじみで堅実、史料的には精密でも生彩に欠け、とくに史家の内観にまで立ち入って世紀の歴史活動の必然条件をえぐりだす労に欠ける。

[金澤 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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