改訂新版 世界大百科事典 「ヤロスラブリ」の意味・わかりやすい解説
ヤロスラブリ
Yaroslavl’
ロシア連邦西部,同名州の州都。モスクワの北東約282km,ボルガ川に臨む河港都市。人口60万5000(2005)。ボルガ川沿岸で最古の都市といわれ,11世紀初めにキエフのヤロスラフ賢公によって建設され,1218年にはヤロスラフ公国の首都となった。16~17世紀にはモスクワ~アルハンゲリスク間の交易路の中心として栄え,16世紀後半には造船所が建てられた。1937年にモスクワとボルガを結ぶモスクワ運河が完成するまでは,モスクワの河港の役割を果たしていた。1750年,ロシアの演劇人F.G.ボルコフによってロシア最初の地方劇場がつくられ,1803年には早くも高等教育機関が設置され,これが1918年にヤロスラブリ大学となった(1924廃止)。現在は交通,工業の一大中心地で,自動車,化学,繊維などの工業が盛んであり,12~17世紀の重要な建造物が多数残されている。工業大学,教育大学,歴史博物館,建築博物館などがある。
執筆者:倉持 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報