リュウゼツラン科ユッカ属Yuccaの常緑植物の総称。アメリカ南部からメキシコや西インド諸島に約40種がある。多くは低木状だが茎の立たない種もある。センジュラン(千寿蘭)Y.aloifolia L.(英名Spanish bayonet,dagger plant)は茎が直立し,長さ30~40cmの硬い剣状葉を密生する。葉縁が黄色覆輪となるキンポウラン(金宝蘭)cv.Marginataの方が観賞価値は高い。ともに明治中ごろに渡来し,庭園に植えられる。キミガヨランY.recurvifolia Salisb.は長披針形葉を密生し,古株になると分枝して群生する。茎頂から1m以上の花茎を直立し,白色鐘状花を下向きに多数つける。アツバキミガヨランY.gloriosa L.(英名Spanish dagger,Lord's candlestick)は前種に比べ全体に大型で,葉は硬く,下葉も垂れない。花茎は長く,白色鐘状花も長さ7~8cmと大きい。開花期は夏~秋で,開花期間は長い。イトランY.filamentosa L.(英名Adam's-needle,needle palm,silk grass)は茎が短く,柔らかい粉白緑色の葉を叢生(そうせい)する。長さ1~2mの花茎を直立し,白色鐘状花を100花以上も着ける。天保年間(1830-44)に渡来した。ユッカ属は広い場所に似合うので,学校や公園によく植栽される。乾燥には強く,排水と日当りの良い土地を好む。耐寒性があり,関東以西では戸外で良く育つ。
執筆者:高林 成年
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