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ユッカ ユッカYucca

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユッカ
Yucca

リュウゼツラン科の常緑低木の1属。広義にはユリ科に含まれる。北アメリカ南部からメキシコに分布し,茎は太く木化する。葉は革質で厚く,線状や剣状で多数が茎や枝の上部にやや密に互生する。初夏,葉の間から大型の円錐花序を出し,多数の黄緑色を帯びた白色の鐘形花をつける。多肉質の花被片6枚,おしべ6本,めしべ1本がある。果実はできるがあまり種子を生じないので,株分けや挿木で繁殖させる。日本で普通にみられるのはキミガヨラン Y. recurvifoliaで,観賞用として庭園などに植えられる。その他,イトラン (糸蘭) ,葉がアロエに似たチモラン Y. aloifoliaや,葉が厚く先端が赤褐色の硬いとげになるアツバキミガヨラン Y. gloriosaも日本で栽培されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ユッカ

リュウゼツラン科ユッカ属の常緑植物の総称。米南部から中米にかけて約50種が自生する。ナバホ族は根以外も、果実を食用として、葉や茎から取れる繊維をひもや衣料の加工材料として使う。ユッカの花はニューメキシコ州の州花。米国では近年、ユッカを原料に含むシャンプーやコンディショナーが人気だ。商品説明には「抜け毛を防ぐのに役立つ」などと明記されている。化学成分を排し、天然成分主体のヘアケア商品を好む消費者の増加が追い風になっている。

(2013-08-18 朝日新聞 朝刊 1外報)

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デジタル大辞泉の解説

ユッカ(〈ラテン〉Yucca)

リュウゼツラン科ユッカ属(イトラン属)の植物の総称。茎は木質、葉は剣状で堅く、茎の先に鐘形の花を円錘状につける。北アメリカおよび西インド諸島に約30種があり、日本には明治以降に渡来。イトランキミガヨランなど。 夏》「雨あしの広場にしぶき―咲く/蛇笏

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百科事典マイペディアの解説

ユッカ

リュウゼツラン科の一属で,北米の南東部,中米などに40種ほど知られ,多くは観賞用に栽培される木本(もくほん)性の常緑植物。有茎または無茎。葉は根生または茎の頂に多数集まり,細長くて硬く,肉質で先は鋭くとがり,縁に鋸歯(きょし)をもつものもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ユッカ【Yucca】

リュウゼツラン科ユッカ属Yuccaの常緑植物の総称。アメリカ南部からメキシコや西インド諸島に約40種がある。多くは低木状だが茎の立たない種もある。センジュラン(千寿蘭)Y.aloifolia L.(英名Spanish bayonet,dagger plant)は茎が直立し,長さ30~40cmの硬い剣状葉を密生する。葉縁が黄色覆輪となるキンポウラン(金宝蘭)cv.Marginataの方が観賞価値は高い。

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大辞林 第三版の解説

ユッカ【Yucca】

リュウゼツラン科ユッカ(イトラン)属の植物の総称。北米西部から南米北部に分布し、30種余りが知られている。庭園に栽植される。茎は太く、広線形のかたい葉を密生。葉芯ようしんから出た大形の円錐花序に、白・黄・赤などの鐘状花を下垂する。キミガヨラン・チモラン・イトランなどの数種が観賞用に栽培される。 [季] 夏。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユッカ
ゆっか
[学]Yucca

リュウゼツラン科イトラン属植物の総称。半砂漠地に生え、木質の茎と多肉質の葉をもつ特徴があり、従来のユリ科から新しい科に変わった。北アメリカの南部、メキシコ、西インド諸島などに約30種ある。常緑木質植物であるが、茎がほとんどないものもある。葉は茎に頂生して多数集まるか、または根生する。線形または剣状で、肉質で堅く、先は刺(とげ)となるもの、縁(へり)に鋸歯(きょし)または糸状の繊維がつくものがある。葉心から大形の円錐(えんすい)花序を直立して、鐘形の大きい白色花を多数下向きに開く。花被片(かひへん)は6枚、雌しべは1本で、原産地では(さくか)を結ぶ。日本には江戸時代の末から明治年間に一部が渡来した。北アメリカ南部原産のアツバキミガヨラン(厚葉君代蘭)Y. gloriosa L.、キミガヨラン(君代蘭)Y. recurvifolia Salisb.、イトラン(糸蘭)Y. filamentosa L.のほかに、北アメリカ南部から西インド諸島原産のセンジュランY. aloifolia L.、葉辺が黄色の園芸品種キンポウランなどが、本州の関東地方以西の暖地の公園や庭園に観賞用として植えられている。日当りでよく育ち、乾燥に耐え、土質を選ばない。都市の公害にも強く、移植は容易。繁殖は挿木、根分けによる。[小林義雄]

文化史

先史時代、北アメリカのインディアンにとって、花は食料の一つであった。南西テキサスの岩陰遺跡からみつかった多数の糞石(ふんせき)に、ユッカの花粉が含まれていた。なかには花粉の90%以上をユッカが占める糞石もあり、ユッカの花期に集まり、花を食べる食生活のあったことが明らかにされた。そのもっとも古い糞石は2800年前にさかのぼる。ユッカはかつて飼料にされ繊維も得たが、現在の利用は観賞栽培にほぼ限られる。ヨーロッパには、1596年に初めてアツバキミガヨランが伝わった。日本には幕末に、オランダ経由でイトランが渡来したが、広がるのは関東大震災(1923)以後で、洋式庭園と洋館が増えたからといわれる。[湯浅浩史]

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