国民生活に不可欠として、法律で全国一律に提供されることが義務付けられているサービス。NTT東日本と西日本には固定電話や公衆電話、緊急通報などを提供することが求められている。サービス維持のため、利用者負担による交付金がNTT東西に支給されている。日本郵便にも郵便事業や貯金・保険業務の提供が義務化されている。
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国民生活に不可欠なものであり、全国で公平に安定して確保され、国民のだれもが利用できる料金と条件で提供されるべきサービス。多くの国では電気、ガス、水道、鉄道、郵便、放送、通信、福祉や介護などをさす。日本の法律では、郵便事業、電気通信事業、電力事業をユニバーサルサービス事業としている。これらの事業においては、離島などを含めたすべての地域で均一のサービスを提供し、永続的に維持しなければならない。しかし、該当事業に競争原理が導入された場合、全地域での均一料金制度が維持できなくなり、収益性の高い分野や採算性のある地域の顧客を新規の事業者に奪われること(クリームスキミングcream skimming)もあり得る。そのため、自由化された市場でユニバーサルサービスを維持するのに必要なコストを負担するユニバーサルサービス制度がある。日本では、加入電話、光IP電話、緊急通報(110番、118番、119番)、総務省の基準に基づき設置される第一種公衆電話の提供確保がNTT東日本とNTT西日本に義務づけられている。この制度では、NTT以外の通信事業者が、ユニバーサルサービス料として通信回線ごとに徴収した負担金を基金とし、NTT東日本と西日本両社のユニバーサルサービス提供に伴う赤字分を補填(ほてん)する基金方式がとられている。
ユニバーサルサービスを確保するためのおもな方法には、上記の基金方式のほかに、事業者が自社の基盤を利用する新規事業者などに対し、純コスト分に相当する利用料を上乗せするアクセスチャージ方式、サービスを提供するうえで高コストとなる地域の住民に、関連事業者の負担金や公的資金を原資として提供純コストに見合う額のクーポン券を配布するバウチャー方式、提供純コストを国税などですべて負担する方式がある。
[編集部]
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