ユリイカ(ポー)(読み)ゆりいか(英語表記)Eureka

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユリイカ(ポー)」の意味・わかりやすい解説

ユリイカ(ポー)
ゆりいか
Eureka

アメリカの詩人・作家ポーが1848年に「散文詩」と銘打って発表した宇宙論。「神」は太初に宇宙の中心に「霊」としてあり、「虚無」から「物質」を創造した。そのとき「物質」は考えうる限り「単一」の状態にあったが、やがて「物質」は宇宙空間に拡散し始め、現状の「多」となった。だが「作用」があれば「反作用」がある。現在の「多」の状態にある「物質」が、また宇宙の中心目がけて縮小して原初の「単一」に回帰し、果ては「無」に解消されるのは必然であり、また「諸法則に卓越するかの普遍法則、周期性の法則」によって、この創造と破壊の過程は永遠に繰り返される。これはポーの想像力による宇宙再構想の試みである。ちなみに「ユリイカ」はギリシア語で「ワレ発見セリ」の意。

[八木敏雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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