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ラフリン ラフリンLaughlin, Robert B.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラフリン
Laughlin, Robert B.

[生]1950.11.1. カリフォルニア,ビザリア
アメリカの物理学者。 1979年マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。 89年よりスタンフォード大学教授。 K.クリッツィングが 1980年代に発見した量子ホール効果に関する研究を続けていたが,82年に H.L.シュテルマーと D.C.ツイが発見した新たなホール効果に対し,翌 83年に画期的な理論的説明を与えることに成功した。すなわち,シュテルマーとツイの実験における極低温と強磁場によって,電子が3分の1,5分の1などの半端な電荷をもつ準粒子としてふるまいうる状態になると考えたのである。低温と強磁場が電子を新しい種類の量子流体へと変化させるというこの説明は,物質の一般的な内部構造や動力学に新たな理論的概念を与えるものとして現代物理学に貢献した。 98年シュテルマー,ツイとともにノーベル物理学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラフリン
らふりん
Robert B. Laughlin
(1950― )

アメリカの理論物理学者。カリフォルニア州生まれ。1968年にカリフォルニア大学バークリー校に入学。兵役を経て、1974年からマサチューセッツ工科大学(MIT)で大学院生として研究を開始。1979年に博士を取得した。修了後、固体物理学研究の中心地だったベル研究所の理論グループに参加。その後、ローレンスリバモア国立研究所に移籍。1989年スタンフォード大学教授となる。
 ベル研究所のD・ツイ、H・シュテルマーが1982年に実験的に発見した「分数量子ホール効果」を説明する理論の論文を、発見から1年を待たずに書き上げた。半導体を絶対零度(零下273.15℃)近くまで冷やし強い磁場をかけると、電気の流れと直角の方向に特殊な電気抵抗が生まれる。このとき電流は「量子流体」とよばれる特別な状態になっており、半導体の抵抗値はとびとびの値をとる。この「整数量子ホール効果」はK・クリッツィングが1980年に発見し、それによって1985年のノーベル物理学賞を受賞しているが、ツイたちは、クリッツィングが発見した飛び飛びの値以外にも、別の抵抗値が生まれることを発見した。この分数量子ホール効果を説明する新しい理論が組み立てられ、人類にとって20世紀最大級の知の枠組みともいわれる量子力学が、ますます磐石(ばんじゃく)になった。分数量子ホール効果を理論的に解明した業績で、この現象を実験で発見したツイ、シュテルマーとともに1998年のノーベル物理学賞を受賞した。[馬場錬成]

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