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リア Lear, Edward

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リア
Lear, Edward

[生]1812.5.12. ハイゲート
[没]1888.1.29. イタリア,サンレモ
イギリスの詩人,画家。 21人兄弟の末子として生れ姉に育てられ,15歳で自立,大英博物館などで動物画を描き,またラファエル前派の影響をうかがわせる精密な風景画を得意とした。生涯精神障害に悩まされ,1837年以後猫を友として国外を放浪した。リメリック (5行から成る戯詩) にユーモラスな挿絵を付した『ノンセンスの絵本』 The Book of Nonsense (初版,1846,増補,61,63) で最も知られ,これは L.キャロルの「アリス」と並ぶノンセンス文学の傑作とされる。ほかに3冊のノンセンスの本,挿絵入りの紀行がある。

リア
Lear

イギリスの劇作家 E.ボンド戯曲。 1971年初演。シェークスピアの『リア王』の典拠となった年代記を再解釈し,社会の構造的暴力のもとにおかれたリアの覚醒と死を通して,階級・官僚社会における暴力,資本主義下における個人の疎外などの問題を提示している。不条理演劇への反論としてボンドみずから理性的演劇と定義し,世界に対する積極的意味づけをはかろうとした作品の一つ。

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世界大百科事典 第2版の解説

リア【Edward Lear】

1812‐88
イギリスの詩人,画家。ロンドンの富裕な株仲買人の第20子として生まれたが,父の事業の失敗により一家は離散,15歳のころから画才を頼りに動物画を描くなどして自活。持病の癲癇(てんかん)と喘息に悩まされながら,地中海地方からインドにまで旅をつづけ,精力的に風景画や紀行文をものし,イタリアで独身の生涯を終えた。本業の絵画よりも,《ノンセンスの絵本》(1846年にデリー・ダウン・デリーDerry down Derryの匿名で発表)から《滑稽抒情詩集》(1877)に至る4冊のノンセンス詩画集によって有名となり,とくにリメリックlimerickと呼ばれる5行の戯詩形式は,彼のおかげで英語文化圏に広く浸透した。

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大辞林 第三版の解説

リア【rear】

他の外来語の上に付いて、「後ろの」の意を表す。リヤ。 「 --ビュー」

リア【Edward Lear】

1812~1888) イギリスの画家・詩人。滑稽な挿絵を添えたナンセンス詩で知られる。代表作「ナンセンスの絵本」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リア
りあ
Edward Lear
(1812―1888)

イギリスの詩人、画家。ハイゲートの株屋の21人のうち21番目の子として生まれる。初め動物学の図版書きとして出発、やがて13代ダービー伯の庇護(ひご)のもとで童詩と挿絵の本の制作にとりかかる。戯詩(リメリック)(5行からできていて、aabbaと韻を踏み、3、4行が他の行の半分の長さしかない)を使って、ことばの遊戯と機知と幻想を最大限に推し進め、独特な奇抜な挿絵を自らつけ、ルイス・キャロルと並んでナンセンス文学の大家として知られ、「リメリックの桂冠(けいかん)詩人」と呼ばれる。生涯、癲癇(てんかん)に苦しみ、温かい友人たちに囲まれながら孤独をかこっていた。キャロル同様、童心を相手にしながらそこに繰り広げられるのは傷ついた繊細な感受性であり、ベケット、イヨネスコに通じる不条理の感覚である。エリオット、オーデンらがこの形式からかなり影響を受けている。作品は『ナンセンスの絵本』(1856)にまとめられている。1888年1月29日没。[出淵 博]
『 柳瀬尚紀訳『完訳 ナンセンスの絵本』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のリアの言及

【絵本】より


[イギリス]
 ぶっきらぼうな教科書だった板本のホーンブックhornbookが16世紀に始まり,17世紀から18世紀にわたって行商人の持ち歩く通俗本チャップブックchapbookがはびこるのであるが,イギリスでは子どもを心から愛したニューベリーJohn Newbery(1713‐67)が1744年に《小さなきれいなポケット本》を出してから,子どもの本の伝統がきずかれた。ビューイックThomas Bewick(1753‐1828)が木版で素朴な田園風景と動物とを生かし,W.ブレークがエッチングで内的な世界をひらき,ついにE.リアが石版で《ナンセンスの本》(1846)を著して,常識をこえたおかしさへ子どもを誘いこんだ。美術愛好家だったコールHenry Cole(1808‐82)が《家宝集》(1841‐47)を出して当代一流の画家に描かせたり,グリム最初の英訳(1823)に奇才G.クルックシャンクが生き生きした絵をつけたりして,やがて19世紀後半に,イギリスの本格的絵本が3人の天才挿絵画家の手で生まれる。…

【児童文学】より

…しかし18世紀を支配したJ.J.ルソーの教育説はたくさんの心酔者を出して,児童文学は型にはまり,C.ラムは姉メアリーとともにこの風潮に反抗して,《シェークスピア物語》(1807)などを書いたが,児童文学が自由な固有の世界となるには,ペローやグリム,アンデルセンの翻訳をまたなければならなかった。しばしば子どもたちの実態を小説に描いたC.ディケンズは《クリスマス・キャロル》を1843年にあらわし,E.リアは滑稽な5行詩による感覚的なノンセンスの楽しみを《ノンセンスの本》(1846)にまとめた。 空想の国へ子どもをさそうファンタジーは,C.キングズリーの《水の子》(1863)を経て,L.キャロルの《不思議の国のアリス(アリス物語)》(1865)でみごとな花をさかせた。…

【ノンセンス】より

…童謡の富を吸収して,19世紀中葉にノンセンス文学のジャンルを確立したのは2人のイギリス人であった。リメリックと呼ばれる詩型の戯詩に漫画をつけて《ノンセンスの絵本》(1846)を出版したE.リア,および専門の論理学を遊戯的に応用してノンセンスの可能性を十二分に展開した《不思議の国のアリス》(1865),《鏡の国のアリス》(1871)の著者L.キャロルである。ドイツに奇才モルゲンシュテルンが現れたのも19世紀後半だった。…

【博物学】より

…また20世紀にはいると,チャレンジャー号による深海生物や微生物の採集など新しい対象が加わり,研究体制も近代化していった。画工では石版技法を図鑑に応用して成功を収めたE.リア,グールドJohn Gould(1804‐81)らが出た。アメリカでは全博物図鑑中の最大傑作といわれるJ.J.オーデュボン《アメリカの鳥類》がほぼ同時期に出版されている。…

【笑い】より

…風刺やパロディが社会批判の役割をもった攻撃性の強い笑いだとすれば,こちらは比喩や言葉遊びに基づいて〈おかしみ〉を楽しむ要素がより強い。その種の愉快な伝承歌謡〈マザーグース〉をもつイギリスは,E.リアの《ノンセンスの絵本》(1846)やL.キャロルの《不思議の国のアリス》(1865。アリス物語)といった代表作を生み出した。…

※「リア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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