リノリウム(その他表記)linoleum

翻訳|linoleum

デジタル大辞泉 「リノリウム」の意味・読み・例文・類語

リノリウム(linoleum)

亜麻仁あまに油の酸化物に松やに・コルク粉などを混ぜて、麻布圧延・付着させて乾燥したもの。床敷き・壁張り材などにする。

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精選版 日本国語大辞典 「リノリウム」の意味・読み・例文・類語

リノリウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] linoleum )[ 異表記 ] リノリューム 床面、壁面などに用いる建築材料の一つ。コルク粉、木粉、コーパル着色料などを混ぜ、これと乾性油をあらかじめ酸化してつくった熱可塑性物質とをよく練り合わせて布上に圧延・乾燥してつくる。弾性耐熱性・吸音性がある。
    1. [初出の実例]「栗色のリノリアムは足もとで微かな弾力にささやき」(出典:道程(1914)〈高村光太郎〉なまけもの)

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改訂新版 世界大百科事典 「リノリウム」の意味・わかりやすい解説

リノリウム
linoleum

亜麻仁油,キリ油のような乾性油を一部酸化,硬化させたもの(リノキシンlinoxynという)に,ロジン,充てん(塡)材(おがくず,コルク粉など),顔料などを配合して麻布の上に被覆し,ロールの間を通して圧着(カレンダー加工)したもの。1860年代にイギリスウォールトンFrederick Waltonが発明。床敷材料として,弾力性,耐摩耗性にすぐれている。しかし,耐水性,耐候性が悪く,現在では,ポリ塩化ビニルを主体とした塩化ビニルタイル,ビニル床シートなどの合成樹脂タイルにおきかえられるようになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リノリウム」の意味・わかりやすい解説

リノリウム
linoleum

室内の床材料。亜麻仁油を酸化してリノキシンをつくり,これに天然樹脂類,ロジンなどを加えて混和融合して,リノリウム・セメントとし,コルク粉,のこ屑,顔料などを混ぜ,麻布に塗りつけ,ロール掛け圧着したもの。乾燥後,幅 2m,長さ 25~30mの製品とする。色は茶,灰,赤,藍,淡藍,緑,青緑などの単色のもの,捺染による模様つけや,簡単な模様を打抜いて象眼としたものもある。また 30cm角に切断したリノタイルがある。難燃性で,清掃が容易であり,弾力性に富み,歩くときの感触がよく,耐久力がある。 1863年イギリスで発明されたもので,リノリウムとはラテン語の亜麻仁油の意味。 1955年頃から塩化ビニル樹脂製の各種床材料が現れて,リノリウムの需要は減少した。

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百科事典マイペディア 「リノリウム」の意味・わかりやすい解説

リノリウム

床はり用加工材。1860年代に英国のウォールトンが発明した。亜麻仁油やキリ油などの乾性油を酸化重合して得られるリノキシンに,松脂(まつやに)などの天然樹脂,コルク粉,おがくず,顔料などを加え,麻布の片面に加熱圧着したもの。耐久性・耐熱性・弾力性等にすぐれる。

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化学辞典 第2版 「リノリウム」の解説

リノリウム
リノリウム
linoleum

あまに油などの乾性油を酸化させると得られるコロイド状物質のリノキシンに,樹脂類を混和し,これにコルク粉または木粉および着色剤をまぜ,織布に圧着したものをいう.耐久性,弾性,柔軟性にすぐれ,耐水性,耐熱性がある.敷物や壁紙として用いられる.

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「リノリウム」の解説

リノリウム【linoleum】

床などに使用する建材の一種。亜麻仁(あまに)油を空気で酸化してリノキシンとし、これにコルクの粉末などを混ぜて麻布などに塗り、固化させたもの。耐摩耗性・弾性にすぐれ、公共施設や病院などの床に多く用いる。住宅ではトイレや水回りに使用するのが一般的。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リノリウム」の意味・わかりやすい解説

リノリウム
りのりうむ
linoleum

あまに油などの乾性油を酸化させて得られるリノキジンに樹脂類を混和し、これにコルク粉または木粉および着色剤を混ぜ織布に圧着したもので、古くから敷物や壁紙として用いられている。

[垣内 弘]

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