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レセプト電子化 れせぷとでんしか

知恵蔵の解説

レセプト電子化

レセプト電子化とは、レセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求の義務化を指す。「レセプトオンライン化」ということもある。2006年4月10日付けの厚生労働省通知(療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令の施行について)により、11年度から、一部の例外を除きすべての医療機関(病院、診療所、薬局)はオンラインによるレセプトの請求が義務づけられることになった。その目的は、医療保険事務全体の効率化を図り、それをもって医療費の適正化に寄与することである。背景には、多くの医療機関で、いまだレセプト請求が紙によって行われていることがある。現在の医療保険制度下では、患者が医療機関を受診した際、医療費の一部を窓口で負担し、残りの医療費については医療機関が市町村や健康保険組合などの保険者に請求する仕組みになっている。健康保険組合などのレセプトの審査を行っている社会保険診療報酬支払基金の08年8月分の紙レセプトの審査分は約3千600万件。これは、高さにすると富士山にほぼ匹敵する3千600m、重さはジャンボジェット機1機分に相当する155tに及ぶ。この膨大な紙でのやりとりをオンライン化することにより、業務の効率化ばかりでなく、診療報酬改定への迅速・正確な政策議論が可能になること、各地域の患者・疾患の実態把握、生活習慣病の発症や重症化の防止や保健指導などに役立てることなどが期待されている。08年4月からは既に400床以上でレセプト電子請求を行っている病院のオンライン化が実施され、09年4月からは400床未満の病院及び薬局でのオンライン化が進められている。しかし、一方では、高齢者の多い診療所などがオンライン化には対応できないなどとして、「義務化なら廃業」と反発の声を強め、見直しあるいは撤廃を求める意見が相次いでいる。

(小林千佳子 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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