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レチノイン酸 レチノインさんretinoic acid

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

レチノイン酸
レチノインさん
retinoic acid

ビタミンA化合物の一つで,制癌作用などさまざまな生理活性が指摘されている。最近は生物の発生に伴って決まった細胞群を特有な構造に導く形態形成因子 (モルフォゲン) として注目されている。特に,ニワトリの翼の骨の形成での働きが詳細に研究されており,レチノイン酸の濃度こう配によってほ乳類などの指の部分に当たる部分が形づくられることが判明している。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典の解説

レチノイン酸

 C20H28O2 (mw300.44).

 ビタミンA酸ともいう.ビタミンA活性をもつ化合物の一つ.視覚作用に関与するビタミンAの活性以外のすべての活性をもつ物質とされる.全トランス型(図)と9-シス型があり,それぞれ独自のレセプターがあり,独自の作用をする(⇒レチノイン酸レセプター).多くの活性は遺伝子転写の調節で説明される.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レチノイン酸
れちのいんさん

ビタミンA(レチノール)が代謝されレチナールに転換されたのち、さらに酸化酵素による酸化を受けて産生される物質。ヒトの成長や発達に必須とされるビタミンAの働きの多くを担当する物質で、ビタミンA酸ともよばれる。
 ビタミンAは、細胞の増殖を調節したり分化させたりする働きがある。また、ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つであるため、その活性型であるレチノイン酸は細胞膜を通り抜けて細胞の核内受容体に働き、ヒトの成長や発達にかかわる遺伝子の転写を調節している。さらにこれまでの研究で、レチノイン酸が睡眠、学習、記憶などに役割を果たしていることはわかっているが、どのように機能するかについてはまだ解明されていない。
 なお、レチナールは、光を感受する視物質であり、そのためレチナールの前駆体であるビタミンAの欠乏は、夜盲症などの視覚障害をもたらす。視物質とは、目の網膜にあって光を受容する視細胞(桿体(かんたい)と錐体(すいたい))に含まれる光受容タンパク質で、このうち、桿体に存在する視物質はロドプシンとよばれる。ロドプシンが光を受容すると、レチナールが全トランス型に変化する。全トランス-レチノイン酸は制癌(がん)剤としても用いられ、急性前骨髄性白血病に著しい効果を発揮する。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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