はっきりした野生は知られていないが,インド亜大陸原産とされるイネ科オガルガヤ属Cymbopogonの多年草で,香料植物の一つ。レモンソウともいう。茎は太く,丈高く1~1.5mの大きな株を作る。葉は幅広い線形で長さ50cmあまり,幅1.5cmに達し,両面とも白っぽい淡緑色。通常はあまり開花しないが,花序は多数,茎の上部の葉鞘(ようしよう)に束生した枝につき,茎の上部に50~70cmにおよぶ大型の偽円錐花序を作る。個々の花序は総状で,2個ずつ対になって葉状苞に包まれる。小穂は長さ4mm,黄緑色で紫褐色の斑(ふ)があり,有柄,無柄のものが対になって花序の節につく。全草にレモンのような芳香を発する精油を含み,熱帯や亜熱帯地域で香料用に栽培される。茎と葉を刈り取ってそれから抽出するレモングラス油は50~80%のシトラールを含有する。また,葉をスープやカレーの芳香づけにも用いる。本種と同属のコウスイガヤ(別名シトロネラソウ)C.nardus Rendl.(英名citronella)は全体がさらに大型で,ゲラニオールを主成分とするシトロネラ油という精油を含む。近縁属のベチベルとともに重要な香料植物である。
執筆者:小山 鐵夫
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イネ科の多年草。コウスイガヤ(シトロネラグラス)citronella grass/C. nardus Rendle と同属の植物で、香料植物の一種。葉からレモングラス油をとる。主成分はシトラールで、スミレの花の香を出すヨノンを合成したり、せっけんや薬品の香付けに用いる。
[星川清親]
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