レンジナ(読み)れんじな(その他表記)rendzina

翻訳|rendzina

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンジナ」の意味・わかりやすい解説

レンジナ
れんじな
rendzina

ヨーロッパの内陸地方の石灰質岩石地帯に生じた土壌で、名称はポーランド語に由来する。冷温帯湿潤地域の森林草原の移行帯に分布しているが、石灰岩泥灰岩という地質母材に限定されている点で、間帯性土壌の一つとみなされる。しかし同じ石灰岩地に生成するテラロッサが温帯ないし亜熱帯の気候と植生に対応するので、気候条件もこの土壌の発達には大きく関与している。石灰質母材の影響を強く残して炭酸塩分に富むと同時に多量の腐植を含み、粗粒で暗灰色の表土と石灰集積のみられる全層に特色がある。このような土層の状態からみて耕作した場合の肥沃(ひよく)度はかなり高く、さらに内陸の半乾燥地帯のチェルノゼムに移行する場合もありうる。

[浅海重夫]

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最新 地学事典 「レンジナ」の解説

レンジナ

rendzina

温帯の湿潤~亜湿潤気候下,石灰岩・泥灰岩などの炭酸塩質岩や石膏岩上に生成するA/C断面をもつ成帯内性土壌型。語源はポーランド語のrzedzic(雑音)で,土層が薄く石礫が多いため,耕すときに鋤が当たり音を立てることに由来。腐植が多く,黒褐色のA層の厚さ30~40cm,きわめて安定な大団粒構造が発達。遊離の炭酸塩を含み,中性~弱アルカリ性反応を示す。C層の保水能に応じて森林であることもあり,好石灰性小低木林となる。南西諸島の隆起サンゴ礁段丘(低位面)上に分布するレンジナ類似の土壌はレンジナ様土(rendzina-like soil)と呼ばれる。

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岩石学辞典 「レンジナ」の解説

レンジナ

暗色の腐植に富む土壌で,石灰質の母材の上に発達する.一般には温暖な湿潤気候で形成される.B層位を欠き,土壌断面のA1層位は灰色から黒色の有機物に富む層準で30cm程度までの厚さがあり,A2層位は灰白色の層準で無数の石灰岩の破片を含み,C層位は母材の石灰岩基盤岩である.レンジナは生(なま)の腐植からなるmor-randzinaと,土壌生物が活動して腐植が生でなくなったmull-rendzina,とに分類される[Glinka : 1914, Ollier : 1969].湿潤ないし半乾燥気候にわたる草本植生,あるいは森林と草本の混合植生下で柔らかい石灰質母岩から生成した間帯性土壌[木村ほか : 1973].

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百科事典マイペディア 「レンジナ」の意味・わかりやすい解説

レンジナ

腐植質炭酸塩土とも。大陸の温帯亜湿潤気候下の森林〜草本植生下で,石灰質岩石の上に発達する腐植に富む暗色土壌。腐植層中には母岩の角礫(かくれき)を含むことが多い。石灰を含むケイ酸塩質岩石(苦鉄質火山岩など)に由来するものをパラレンジナと呼ぶ。日本では,両者とも局地的にしか分布しない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンジナ」の意味・わかりやすい解説

レンジナ
rendzina

石灰岩風化物を母材とし,温帯ないし冷温帯の湿潤気候地域下に生成した腐植に富む土壌。炭酸カルシウムの集積層をもち,チェルノゼムに類似。肥沃度は高い。日本には存在しないといわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のレンジナの言及

【土壌型】より


[成帯内性土壌型(間帯土壌型)]
 (1)母岩(母材)の影響の強い成帯内性土壌型 岩石土壌型ともいわれる。レンジナは湿潤な森林植生下において,石灰岩や泥灰岩,苦灰岩のように炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを多量に含む岩石から生成された土壌で,腐植に富む黒色の厚いA層の直下に岩石の破片からなるC層があり,表層から炭酸塩を含む肥沃な土壌である。アメリカの分類体系ではレンドルとよばれている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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