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レ・ミゼラブル Les Misérables

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

レ・ミゼラブル
Les Misérables

フランスの詩人,作家ビクトル・ユゴーの小説。 1862年刊。一切れのパンを盗んだために,19年間獄につながれたジャン・バルジャンは,社会に憎悪をいだき,本物の極悪人になろうと決意して盗みを働くが,司教ミリエルの慈悲によって救われる。以後,不幸な人間を救うことを目的に,マドレーヌという変名で財をなし,市長となるが,自分の身代りになって捕えられた無実の男を救うため,一切をなげうって名のり出る。作者のロマンティシズムと共和主義とが,主人公の博愛主義のなかに混然と融合した大作。日本でも早くから『ああ無情』の題で親しまれている。

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百科事典マイペディアの解説

レ・ミゼラブル

ユゴー長編小説。1862年刊。ひと切れのパンを盗んだために19年間を牢獄で送ったジャン・バルジャンの苦難にみちた更生を軸に,さまざまな状況でのあらゆる階層の人びとを,愛情をこめて描く。
→関連項目岩谷時子

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デジタル大辞泉プラスの解説

レ・ミゼラブル

1980年初演のミュージカル。原題《Les misérables》。脚本・作曲:クロード・ミシェル・シェーンベルク、脚本:アラン・ブーブリル、作詞:ハーバート・クレッツマー。ヴィクトル・ユゴーの小説に基づく。日本でも上演され好評を博した。1987年に第41回トニー賞(ミュージカル作品賞)を受賞。このミュージカル版をもとに2012年に映画化された。

レ・ミゼラブル

1998年製作のアメリカ映画。原題《Les misérables》。ヴィクトル・ユゴーの大河小説の映画化。監督:ビレ・アウグスト、出演:リーアム・ニーソン、ジェフリー・ラッシュ、ユマ・サーマン、クレア・デインズ、ハンス・マシソンほか。

レ・ミゼラブル

1957年製作のフランス・イタリア合作映画。原題《Les misérables》。ヴィクトル・ユゴーの大河小説を忠実に映像化した大作。監督:ジャン=ポール・ル・シャノワ、出演:ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ、セルジュ・レジアニほか。

レ・ミゼラブル

1995年製作のフランス映画。原題《Les misérables》。ヴィクトル・ユゴーの大河小説を現代に置き換えて映画化。監督:クロード・ルルーシュ、出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ミシェル・ブジュナー、アレサンドラ・マルティンヌ、アニー・ジラルドほか。

レ・ミゼラブル

2012年製作のイギリス映画。原題《Les misérables》。大ヒット・ミュージカルの豪華キャストによる映画化。監督:トム・フーパー、出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、ヘレナ・ボナム=カーターほか。第85回米国アカデミー賞作品賞ノミネート、助演女優賞(アン・ハサウェイ)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響賞(調整)受賞。

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知恵蔵miniの解説

レ・ミゼラブル

フランスの文豪ビクトル・ユーゴーの長編小説(1862年刊)、及び、これを基にしたミュージカル、映画作品。19世紀前半のフランスを舞台に、パンを盗んだ罪で19年間服役した男、ジャン・バルジャンが、苦難に見舞われながらも人として正しく生きようとする姿を描く。ミュージカル作品は1985年のイギリス・ロンドンでの初演以来、世界43カ国で上演されて大ヒットし、2012年にトム・フーパー監督、ヒュー・ジャックマン主演で映画化された。日本では同年12月より公開され、13年2月3日時点で興行収入が国内で公開されたミュージカル映画では歴代最高の約42億円を記録している。

(2013-2-7)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レ・ミゼラブル
れみぜらぶる
Les Misrables

フランスの作家ビクトル・ユゴーの長編小説。作品の壮大な構想は20代から練られたといわれるが、1848年の二月革命で中断、60年に再開して2年後、ブリュッセルとパリから同時に刊行された。ユゴーの人道主義的思想の集大成といえるもので5部・10巻からなる。一切れのパンを盗んで逮捕されたジャン・バルジャンJean Valjeanは何度も脱走を計って19年間入獄、社会への憎悪を抱いて出獄する。一夜の宿を借りた司教館から銀器を盗むが、ミリエル司教の慈愛に触れて回心し、以後は愛と献身の生活を送ることになる。
 数年後、マドレーヌと名を変えた彼は工場経営に成功し、慈善を施して人望を得、市長にまでなるが、彼を前科者と見抜いた刑事ジャベールに執拗(しつよう)につけ狙(ねら)われる。そのころ、まったくの別人が彼の身代りに逮捕されたことを知って、地位と財産を捨て名のり出たことから、ジャンはまた振り出しに戻るがふたたび脱獄。不幸な娼婦(しょうふ)ファンティーヌの遺児コゼットCosetteを探し出し、かねてからの約束を守って引き取り、ジャベール刑事の目を逃れながら、りっぱに成長させる。コゼットと共和主義者マリウスの愛を知ったジャンは、市街戦で負傷したマリウスを背負ってパリの巨大な下水道をさまよい、王党派の追跡を逃げ切る。彼はこのときジャベールの命も救ったが、法の非情な番人だったこの刑事は人間愛との板挟みに悩んで自殺。コゼットはマリウスMariusと結婚する。ジャンの前科を知らされたマリウスは一時妻を養父から遠ざけるが、やがてその献身の生涯を知り、駆けつけて不明を詫(わ)びる。ひとり死の床にあったジャンはいまや愛する者たちにみとられて幸福な最期を迎える。
 題名の示すとおり社会の悲惨な犠牲者たちを主人公とし、大革命から王政復古へと激動のフランス社会を描き、本筋とはあまり関係ない歴史的考察や挿話(ワーテルローの戦いなど)を混じえながら壮大な叙事詩的小説世界を構築した。人物は巨大で典型化しているが、それだけに作者の意図は明瞭(めいりょう)に伝わる。各国語に翻訳されて大衆文学の傑作として愛読され、ユゴーの名を世界的に著名にした。日本では、1902年(明治35)黒岩涙香(るいこう)が『噫無情(ああむじょう)』として『萬朝報(よろずちょうほう)』に翻案・連載した。[佐藤実枝]
『『レ・ミゼラブル』(豊島与志雄訳・7冊・岩波文庫/辻昶訳・6冊・講談社文庫/石川湧訳・8冊・角川文庫)』

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