レーザー兵器(読み)レーザーへいき(英語表記)laser weapon

翻訳|laser weapon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

レーザー兵器
レーザーへいき
laser weapon

レーザー光を通信,探知測定用および殺傷破壊用に利用する兵器。通信用としては,衛星を含む直視範囲の大容量通信,導光線を使用する艦内,機内および陸上固定位置間の大容量・機密・軽量通信用として大きな有用性と将来性をもっている。測定用としては衛星を含む直視範囲の精密測定用,特に戦車用に重用されている。水中では減衰が大きく対潜用としては実用化されていない。殺傷破壊用としては,1964年にレーザー銃が試作され,人間を一時盲目とし,数十mの距離で衣服を焦がすことが可能であった。最近の大出力レーザーの出現に伴って,次のようなレーザー放射兵器が開発され実用化されようとしている。 (1) 艦船用対艦ミサイル防御兵器,爆撃機用対ミサイル防御兵器,車両用対ミサイル防御兵器,(2) 衛星用対衛星機能破壊兵器,(3) 弾道ミサイル破壊兵器など。

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デジタル大辞泉の解説

レーザー‐へいき【レーザー兵器】

laser weaponレーザー光線を破壊エネルギーとした兵器。エネルギー指向型兵器(DEW)の主役で、戦略防衛構想(SDI)での主要破壊手段。

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百科事典マイペディアの解説

レーザー兵器【レーザーへいき】

レーザー光線を用いた兵器の総称。レーザー銃は1960年代に米ソで開発が進められ,1970年代に実用化された。戦場で敵兵の視力を失わせるのが目的。旧ソ連では攻撃してくる敵機のパイロットの視力を奪う装置を広く艦艇に搭載していた。イギリスも同様の兵器を開発し,1982年のフォークランド戦争時に艦艇に搭載したという事実が後に明らかにされた。敵の光学センサーを無力化するセンサー攻撃用レーザー装置としては,米陸軍が開発した〈スティングレー〉が1990年の湾岸戦争に投入されたが,実戦には使われなかった。〈パシュウス〉という米陸軍の研究開発した40ミリレーザー擲弾(てきだん)(擲弾筒)は大量のレーザー光線を放出して短時間の間敵の目をくらませたり,光学装置を無力化させる。さらに,米では1980年代のスターウォーズ計画(SDI)で宇宙空間から強力なレーザー光線を発射して核兵器や核施設,軍事衛星を破壊する宇宙兵器の開発が検討された。→電子兵器

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世界大百科事典 第2版の解説

レーザーへいき【レーザー兵器】

レーザー兵器には,レーザー光を利用して目標の標定,識別,ミサイル誘導などを行うレーザー応用兵器と,レーザー光のエネルギーで目標を破壊するレーザー・ビーム兵器とがある。レーザー応用兵器が最初に実用化されたのは1960年代中ごろで,短パルス・レーザー光の往復する時間から目標までの距離を計測する装置(レーザー測距装置)が各国の戦車に搭載された。その後,レーザー測距装置は双眼鏡型の小型携帯用のもの,赤外線装置等と組み合わせた対空射撃照準システム,航空機搭載測距システムなど種々の兵器システムに用いられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レーザー兵器
れーざーへいき
Laser weapon

レーザーを応用した兵器の総称で、レーザーのエネルギーを相手の破壊や機能喪失に利用する兵器と、レーザーを目標探知や測距、通信などに用いる兵器とがある。前者は指向性エネルギー兵器(DEW=Directed Energy Weapon)の一種で、アメリカの戦略防衛構想(SDI)で注目を浴びたが、大出力のレーザーを安定して発振させる手段や遠距離の照準などの技術的困難があり、現在は開発も下火となっている。しかしアメリカ空軍では、ボーイング747旅客機に化学レーザーを搭載して、上昇段階の弾道ミサイルを撃墜するABL(Airborne Laser)を開発中で、2004年に空中におけるレーザー照射の実験に成功している。これとは別に、可視や近赤外のレーザーで人間の目をねらい、一時的あるいは永久的に視力を奪う目つぶしレーザーもあるが、残虐な兵器として国際的に使用を禁止されている。
 一方レーザーのエネルギーを破壊以外に利用する兵器としては、目標の探知や識別に使うレーザー・レーダー(光波レーダー、lidar=light-wave radar)、光の往復から距離を測定するレーザー測距機(laser rangefinder)、光を目標に照射して味方にその位置を知らせるレーザー目標指示機などがある。レーザー誘導爆弾は、地上あるいは空中からレーザーを目標に照射し、その反射をたどって命中する仕組みである。[野木恵一]

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世界大百科事典内のレーザー兵器の言及

【レーザー】より

…これと関連して医用レーザーが登場し,無血手術に利用されている。またアメリカやソ連ではレーザー兵器の開発が行われ,誘導ミサイル破壊用のレーザー研究も提唱されている。レーザーのエネルギーとその単色性を応用した同位体分離技術も重要である。…

※「レーザー兵器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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