ロイス(英語表記)Royce, Josiah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ロイス」の解説

ロイス
Royce, Josiah

[生]1855.11.20. カリフォルニア,グラスバレー
[]1916.9.14. ケンブリッジ
アメリカの哲学者,教育家。カリフォルニア大学卒業後,ライプチヒ,ゲッティンゲン,ジョンズ・ホプキンズ大学で哲学を学び,1885年ハーバード大学哲学助教授,92年教授。ドイツ観念論,特に同時代のイギリスの新ヘーゲル学派の立場から,哲学のみならず,文芸批評や歴史学の分野にも貢献。同時代のプラグマティズムに対しては,それが観念を人間の意志実現の道具とみなす点では賛成したが,その観念を相対的なものであるとみなす点を批判した。その相対性を包摂するものとして絶対意志を措定し,人間の個別的意志はその現れであり,人間は絶対意志を意識することによってのみ社会的に正しく生きうると主張し,この自己の立場を「絶対的プラグマティズム」と呼んだ。主著『現代哲学の精髄』 The Spirit of Modern Philosophy (1892) ,『世界と個人』 The World and the Individual (2巻,1900~01) ,『キリスト教の問題』 The Problem of Christianity (13) 。

ロイス
Ruysch, Frederik

[生]1638.3.23. ハーグ
[没]1731.2.22. アムステルダム
オランダの解剖学者。ライデン大学に学び,1667年アムステルダム大学外科学講師,68年解剖学および外科学教授,85年植物学教授。死体血管に着色した防腐液を注入して,防腐と,脈管分布を検査する方法を創始し,みごとな解剖標本をつくった。歯牙冠状動脈の分枝,男女の骨盤の差などについて,正確な記載を残している。アムステルダム市の産科医,裁判医を兼ね,学識は必ずしも深遠でなかったが,常人をしのぐ精力と器用さによって,「ヤマネコの目と妖魔の手をもった男」と評された。

ロイス
Ruysch(Ruisch; Ruijsch), Rachel

[生]1664. アムステルダム
[没]1750.10.12. アムステルダム
オランダの女性静物画家。 W.アールスト弟子。 1701年ハーグの画家組合に肖像画家である J.プールとともに登録。 1706年ジュッセルドルフの宮廷画家となった。特に花の画家として知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「ロイス」の解説

ロイス
ろいす
Josiah Royce
(1855―1916)

アメリカの哲学者。カリフォルニア生まれ。カリフォルニア大学に学び、ハーバード大学助教授、ついで教授となって、傾向の異なるW・ジェームズとともに同大学哲学科の黄金時代を築いた。ロイスは結局、絶対的プラグマティストだと自称して、絶対的経験を要請し、探究を行うためには内的な意味と目的をもった絶対的な観念が必要だと考えた。『忠誠の哲学』(1908)はそのよい実例で、新渡戸稲造(にとべいなぞう)に準拠して武士道に高い評価を与えた。このような態度は、エドワーズやエマソンになかった論理的体系を初めてアメリカ観念論に与えただけでなく、数学基礎論の研究を通じてフレーゲラッセルなどの近代論理学につながる面がある。ほかに『現代哲学の精神』(1892)、『世界と個人』(1899~1901)、『キリスト教の問題』(1913)、『現代観念論講義』(1919)などがある。さらに余技として創作の才能があり、たとえば『オークフィールドMの宿根』(1887)と題した小説を前記W・ジェームズに献じている。

[鵜木奎治郎 2015年10月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「ロイス」の解説

ロイス

(Josiah Royce ジョサイア━) アメリカの哲学者。新ヘーゲル主義者。ドイツ観念論とプラグマティズムの影響の下、精神生活と実践生活とを同視しながら、しかも個人的意志の上に普遍的な絶対的意志を認める絶対的プラグマティズムの立場をとった。主著「世界と個人」「忠誠の哲学」「現代哲学の精神」。(一八五五‐一九一六

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

百科事典マイペディア「ロイス」の解説

ロイス

米国の哲学者。ハーバード大学教授。ドイツに留学し,ドイツ観念論,特にヘーゲルから強い影響を受けた。また友人W.ジェームズにも感化され,当時の唯物論的進化思想に対して〈絶対的プラグマティズム〉〈絶対的主意主義〉を説く。著書《現代哲学の精神》(1892年),《世界と個人》(1899年―1901年)など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版「ロイス」の解説

ロイス【Josiah Royce】

1855‐1916
アメリカの観念論的哲学者。ハーバード大学教授。カリフォルニア州のグラス・バレーに生まれ,カリフォルニア大学で学び,ドイツに留学してライプチヒ,ゲッティンゲンで哲学を修めた。1878年にジョンズ・ホプキンズ大学博士号を取得,同年に母校のカリフォルニア大学に帰り,当時まだ哲学の講座がなかったので英語の講師になったが,82年にW.ジェームズらによってハーバード大学哲学科に迎えられ,終生同大学で教え著作した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

クライマックスシリーズ

日本のプロ野球で、年間の優勝チームを決定する日本シリーズ(日本選手権シリーズ試合)への出場権をかけ、セントラル・リーグとパシフィック・リーグそれぞれの公式戦(レギュラーシーズン)上位3チームが争うプレ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android