ロスチャイルド(英語表記)Rothschild family

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロスチャイルド」の意味・わかりやすい解説

ロスチャイルド
Rothschild family

約 200年間にわたりヨーロッパの経済や政治に多大な影響を与えたユダヤ系銀行家の一族。ドイツ語読みではロートシルトフランクフルトゲットー(ユダヤ人居住区)に住んでいたマイヤー・アムシェル・ロートシルト(1744~1812)と,その長男アムシェル・マイヤー(1773~1855)はじめとする 5人の息子が金融業を立ち上げ,フランス革命からナポレオン戦争にまたがる時期(1792~1815)に事業を拡張,1804年にはロンドン,1811年にはパリ,1820年代にはウィーンナポリに支店を置いた。戦争資金や武器の調達小麦綿花,植民地農産物の輸出入などで巨万の富を築き,産業革命の波にも乗って鉄道,石炭製鉄冶金の分野にも投資を続け,1850年代以降も石油や非金属の取り引きで重要な役割を果たした。しかし,新興財閥や銀行の進出により,19世紀最後の四半世紀までにロスチャイルド家はそれまでの寡占的な地位ではもはやなくなった。ロスチャイルド家のうち最も成功したのはロンドン家で,イギリス最初のユダヤ人の下院議員を出し,またユダヤ人初の貴族にも列せられた。1917年11月2日のバルフォア宣言も,シオニズムの推進者であった第2代ロスチャイルド男爵ライオネル・ウォルターに宛てて発せられ,イスラエル建国にあたってはパリのロスチャイルド家が財政的支援を行なった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ロスチャイルド」の意味・わかりやすい解説

ロスチャイルド[家]【ロスチャイルド】

ロートシルトとも。ユダヤ系の国際的金融資本家の一族。ドイツのフランクフルトの両替商マイヤー・アムシェルMeyer Amschel Rothschild〔1743-1812〕がヘッセン選帝侯の御用商人として,第1次対仏大同盟戦争時に大資産の土台を築いた。5子をフランクフルト,ウィーン,ロンドン,ナポリ,パリに置き家族的結合の下に独立営業させたが,特にロンドンで営業した三男ネーサン・マイヤーNathan Meyer Rothschild〔1777-1836〕はナポレオン戦争時に英国戦費を調達,国際金融業者として名声確立。1848年革命などで同家は打撃をこうむったが,ロンドンとパリの2家は今日も存続し,英仏の金融界で重きをなす。
→関連項目マーチャント・バンク

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「ロスチャイルド」の解説

ロスチャイルド

1934年製作のアメリカ映画。原題《The House of Rothchild》。監督:アルフレッド・ワーカー、出演:ロレッタ・ヤング、ジョージ・アーリスほか。第7回米国アカデミー賞作品賞ノミネート。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ロスチャイルド」の解説

ロスチャイルド

ロートシルト

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android