ローブ(英語表記)robe[フランス]

デジタル大辞泉 「ローブ」の意味・読み・例文・類語

ローブ(〈フランス〉robe)

ワンピース仕立てになったすその長いゆるやかな婦人服
裁判官欧米僧侶が用いる長い上着。法衣

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精選版 日本国語大辞典 「ローブ」の意味・読み・例文・類語

ローブ

〘名〙 (robe)⸨ロープ
① ワンピース仕立ての長くゆるやかな婦人服。
※落葉日記(1936‐37)〈岸田国士〉八「藍地に水玉模様の地味なローブの後姿で、すぐにそれとわかりはしたが」
② 裾まで長くゆったりとした礼服、または職服。裁判官や欧米の僧侶が着る長い上着。
③ 入浴後に着る、ゆったりとしたタオル地などの部屋着バスローブ
※『 Cocu 』のなげき(1925)〈武林無想庵〉サン・ジャン・カップ・フェラにて「イヴォンヌは〈略〉うす青い天鵞絨のロープを身にまとってゐた」

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改訂新版 世界大百科事典 「ローブ」の意味・わかりやすい解説

ローブ
robe[フランス]

中世に男女の着た長いゆったりした外衣とか,化粧着,バスローブとかさまざまの語義があるが,現代では一般的に婦人服,ドレス意味として用いる。また法服なども意味する。英語のガウンに当たり,戦利品,略奪品という意味の古フランス語に由来する。もともとは衣類全体を指す言葉から,一揃いの衣服をいうようになり,身分の高い者の正装に使われるようになった。15世紀には一つの衣服に対してのみ使われる言葉となり,16世紀以降は男性のものは儀式服や法服に限って使われ,ローブは主として女性用表着総称となった。ロココ時代にはローブのいろいろな変形が生まれた。ローブ・ア・ラ・フランセーズrobe à la françaiseは,画家ワトーが好んで描いたので,ワトーひだ(襞)とも呼ばれた。ローブ・ア・ラングレーズrobe à l'anglaiseは簡素なイギリス風,ローブ・ア・ラ・ポロネーズrobe à la polonaiseはポーランド風など,各国のモードをとり入れてフランス化したものが流行した。

 日本明治時代宮中の礼服として採用されたローブ・デコルテrobe décolletéeは,衿を大きくく(刳)り,背や肩をあらわにしたドレス,ローブ・モンタントrobe montanteは衿が首の長さいっぱいまであり,袖も長いドレスをいい,これらは今日にも残されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローブ」の意味・わかりやすい解説

ローブ
robe

服飾用語で,3種の語義がある。 (1) 最も広義には衣服,服など,着る物の総称。 (2) 寛衣,長衣,ガウン,ドレスなど一般に長くゆったりした衣服または表着。 (3) (2) の意味から礼服,官服,法服など。今日の日本ではおもに (2) の意味として用いる場合が多く,ときには (3) の意味にも用いられる。

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