インク・ブロットink blot(インキのしみ)の知覚に基づいて人格評価を行う技法であり、のちに投影法とよばれる一連の人格評価法が開発される機縁となった。1921年スイスの精神科医ロールシャッハHermann Rorschach(1884―1922)が、主として精神分裂病(統合失調症)等の精神医学的診断のために考案し、カードとその用法を精神診断法Psychodiagnostikと名づけて出版した。その後、日本やアメリカでは、作成者の名を冠して一般にロールシャッハ・テストとよばれるようになった。あいまいなインキのしみを提示し、それが何に見えるかをたずねるので、人さまざまな知覚による千差万別な反応が得られ、それを解釈する技法の体系が中心となる。したがって、通常のテストのように標準化によって機械的に判定・評価ができるようなものではないので、テストという名を避けてロールシャッハ・テクニックとよぶ者もある。その方法は、左右対称のインキのしみの図10枚を被検者に見せ、何に見えるかの応答を求め、反応が図のどのような特徴から生じたかを中心に分析、解釈することにより、人格の知的面や情意面を理解しようとするものである。全世界で広範に利用されているが、とくにアメリカではベックSamuel Jacob Beck、クロッパーBruno Klopferら多くの研究者によって発展研究され、わが国でもこれらアメリカの研究から強い影響を受けながら広く利用、研究が行われている。
[冨田正利]
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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