コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ワイゲル Weigel, Hans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワイゲル
Weigel, Hans

[生]1908.5.29. ウィーン
[没]1991.8.12. ウィーン
オーストリアの小説家,劇作家,評論家。小説『緑の星』 Der grüne Stern (1946) ,戯曲『地獄もしくは煉獄』 Hölle oder Fegefeuer (48) などのほかに,『カール・クラウス論』 Karl Kraus oder die Macht der Ohnmacht (68) など文芸評論の分野で著名。

ワイゲル
Weigel, Helene

[生]1900.5.11. ウィーン
[没]1971.5.7. ベルリン
ドイツの女優。劇作家 B.ブレヒトの妻。 1919年フランクフルトで初舞台。ナチスの時代にはブレヒトとともにアメリカに亡命したが,48年に東ベルリンに戻り,ベルリーナー・アンサンブルの指導的俳優として,『母』『肝っ玉おっ母とその子供たち』その他多くのブレヒト作品に主演。 56年ブレヒトが死去したのちもアンサンブルを一人で指導し,異化効果の普及に努めた。

ワイゲル
Weigel, Valentin

[生]1533. グローセンハイン近郊ナウンドルフ
[没]1588.6.10. チョーパウ
ドイツのプロテスタント神学者,宗教哲学者。改革派神秘主義の代表者。神を人間の動的な意志の働きとの関係において考案し,悪への意志について独自の解釈がみられる。 J.ベーメライプニッツに影響を与え,ドイツ観念論先駆者とみなされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ワイゲル【Helene Weigel】

1900‐71
東ドイツの女優,劇場監督。ウィーンに生まれ,俳優教育を受けたのち,フランクフルトやベルリンの舞台を踏み,1924年にブレヒトと知り合い,29年に彼と結婚する。ナチスの時代にはブレヒトと共にアメリカへ亡命。帰国後は東ベルリンに〈ベルリーナー・アンサンブル〉を設立(1949)し,その劇場監督となる。ブレヒト作品の多くに主演し,とくに《母》(1932初演)のウラーソワ役,《肝っ玉おっ母とその子供たち》(1949初演)の肝っ玉おっ母役の演技は有名である。

ワイゲル【Valentin Weigel】

1533‐88
ルター派の思想家,スピリチュアリスト。中世ドイツ神秘思想,とくにタウラーの教えを教会ドグマから解き放ち,ルターの悔い改めと義の教えを内面化し,〈石の教会〉に対して〈目に見えぬ教会〉の重要さを説き,争いと反目の時代にあって徹底した平和主義者であった。さらにその内面性は,新しい自然観,宇宙観の誕生,とくにパラケルススの影響によって自然神秘思想の次元へと広がり,多くのワイゲル主義者を生み出し,ベーメ,ライプニッツに影響を与えた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワイゲル
わいげる
Helene Weigel
(1900―1971)

オーストリア出身のドイツの女優、劇団主宰者。ウィーンに生まれる。ウィーンでの短い修業のあとドイツにきてフランクフルトとベルリンの主要劇場に契約出演。1925年にブレヒトと知り合い、28年に結婚。ブレヒトの『母』(ゴーリキー原作)や『肝っ玉おっ母(かあ)とその子供たち』の主人公役などを得意とし、叙事的演劇の重要な俳優の1人として評価が高い。49年東ベルリンでベルリーナー・アンサンブルを設立してその主宰者となった。[宮下啓三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のワイゲルの言及

【ベルリーナー・アンサンブル】より

…ベルリンにあるドイツ民主共和国の国立劇場(劇団)。1949年1月,亡命から帰国したB.ブレヒトは,ドイツ座で妻H.ワイゲル主演の《肝っ玉おっ母とその子供たち》を上演し,その成功をふまえてこの新劇団を結成,同じ年の11月にドイツ座を借りて,《プンティラ旦那と下男のマッティ》から活動は始められた。演出家エンゲル,装置家ネーアー,俳優にブッシュ,ビルト,ゲショネック,ワイゲル,ギーゼなどを擁し,ブレヒトの作品とブレヒト流に解釈された古典,近代古典を中心にした演目によって,やがて国際的な注目を浴びるようになった。…

【汎知学】より

…ラテン語,ドイツ語を直接写してパンソフィア,パンゾフィーともいう。H.クーンラート,ノリウスNollius,ドルンG.Dorn,V.ワイゲル,ジデロクラテスS.Siderocratesのような,主としてドイツのカッセルとフランクフルトを中心に活動した学者たちによって1600年前後に培われ,やがてチュービンゲンの知識人グループに波及してより福音主義的な色彩を帯びながら,J.V.アンドレーエの薔薇(ばら)十字文書に集中的表現を見いだした。なお本来,〈汎知学〉とは〈神智(知)学theosophia,Theosophie〉の対概念で,ギリシア語の〈すべてpan〉と〈知sophia〉とからなり,一般的用法では〈百科全書的知識〉を意味する。…

※「ワイゲル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ワイゲルの関連キーワードベルトルト ブレヒトカール ワイゲルトドイツ神秘主義ワイゲル岩注する神智学汎知学

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android