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ワーグマン ワーグマンWirgman, Charles

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワーグマン
Wirgman, Charles

[生]1832.8.31. ロンドン
[没]1891.2.8. 横浜
イギリスの画家。 1857年頃『イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ』の特派員として東洋に派遣され,安政6 (1859) 年から横浜に住んだ。記事を送るかたわら日本の風俗を油彩や水彩で描き,また風刺漫画の月刊誌『ザ・ジャパン・パンチ』を発行。高橋由一五姓田義松をはじめ,幕末から明治前期の洋画家で彼の指導を受けた者も多い。主要作品『腰越風景』 (70頃,東京国立博物館) ,『飴売り』 (77頃,同) ,『かね子夫人像』。

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デジタル大辞泉の解説

ワーグマン(Charles Wirgman)

[1832~1891]英国の画家・ジャーナリスト。1861年(文久元)ごろ、挿画入り新聞の特派員として来日し、横浜に定住。62年、時局風刺の漫画雑誌「ジャパンパンチ」を創刊。また、高橋由一らに油絵を指導した。

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百科事典マイペディアの解説

ワーグマン

英国の画家,新聞記者。1858年《イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ》の特派員として来日し,横浜に定住。送稿のかたわら油絵,水彩画,漫画を描き,高橋由一,五姓田義松らに洋画技法を教授した。
→関連項目五姓田芳柳小林清親漫画

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

ワーグマン Wirgman, Charles

1832-1891 イギリスの画家,新聞記者。
1832年8月31日生まれ。もと陸軍大尉。文久元年(1861)来日。小沢カネと結婚して横浜にすむ。「イラストレーテッド-ロンドン-ニューズ」特派員として,生麦(なまむぎ)事件,薩英(さつえい)戦争などを絵と記事にした。文久2-明治20年風俗風刺漫画誌「ジャパン-パンチ」を発行。また高橋由一(ゆいち)らに洋画をおしえた。明治24年2月8日横浜で死去。58歳。ロンドン出身。

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朝日日本歴史人物事典の解説

ワーグマン

没年:明治24.2.8(1891)
生年:1832.8.31
幕末に来日したイギリスの新聞記者,画家。ロンドン生まれ。1856年のアロー号事件を機に,『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』の特派員として57年中国へ渡る。広東動乱に遭遇後,香港,マニラをまわり,60年には北京で従軍し帰国した。翌年再び中国へ渡り,英国駐日総領事オールコックに従って来日。7月4日イギリス公使館の仮寓となっていた品川東禅寺に到着し,同夜水戸浪士の襲撃事件に遭遇,このとき水彩スケッチ「東禅寺浪士乱入の図」を残した。横浜に居住し,文久2(1862)年居留地外国人向けの漫画誌『ジャパン・パンチ』を創刊,風刺挿絵を描いた。同誌は明治20(1887)年まで刊行を続けた。また,慶応1(1865)年に五姓田義松が入門し洋画法を学んだのをはじめ,翌年には高橋由一が入門,その後山本芳翠,田村宗立らがその指導を受けるなど,数少ない実技指導者のひとりとして,幕末から明治初年の手さぐり状態の西洋画学習者に与えた影響はきわめて大きかった。維新後は,信州や上州など各地を旅行し,日本の風物を情趣のある筆致で水彩や油彩で多く描いた。9年ころ,日本人小沢カネと結婚,のち1子をもうけた。明治21年イギリスへ帰国し,ロンドンで弟の画家ブレイク・ワーグマンと展覧会を開催した。日本の景観を描いた油彩画「宿場」,「街道」(神奈川県立博物館蔵)はこのときの出品作と考えられる。同年中に日本へ戻ったが,やがて発病し横浜で没し,横浜市の外人墓地に葬られた。同市中区の善行寺にも,一子一郎が建立した同家の墓碑がある。

(三輪英夫)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

ワーグマン【Charles Wirgman】

1832‐91
画家。ロンドンに生まれる。元陸軍大尉であったが,退役後の1857年に《イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ》の特派員画家として中国へ渡る。61年イギリス公使オールコック一行とともに長崎から江戸へのぼる。同年の東禅寺襲撃事件に遭遇し《浪士乱入図》を描いたのをはじめとして,生麦事件から薩英戦争,下関砲撃事件あるいはイギリス人士官殺害事件などの,激動期の日本の動向をつぶさに描き,それらは《イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ》に逐次紹介され,貴重な記録となっている。

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大辞林 第三版の解説

ワーグマン【Charles Wirgman】

1832~1891) イギリスの画家・ジャーナリスト。1858年絵入り新聞の特派員として来日し横浜に永住。62年、「ジャパン-パンチ」創刊。幕末維新期の事件・風俗を風刺的に描き、また高橋由一・五姓田義松らを指導し日本洋画の発展に貢献。 → ポンチ絵

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワーグマン
わーぐまん
Charles Wirgman
(1832―1891)

イギリスの画家。ロンドンに生まれる。パリで絵の修業をし、帰国後、陸軍に入る。陸軍大尉で退役し、『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』の特派美術通信員として中国に渡る。1861年(文久1)来日し、以後、日本で美術通信員の仕事を続ける。水戸浪士の東禅寺襲撃事件、生麦(なまむぎ)事件、薩英(さつえい)戦争、鉄道開業式、西南戦争など幕末維新の大事件を画で西欧に報道した。62年からは時局風刺雑誌『ジャパン・パンチ』を横浜で刊行し、居留外国人の情報・娯楽誌として好評を受ける。この雑誌は日本人にも影響を与え、日本の新聞に漫画が登場し、「ポンチ」ということばを流行させ、87年(明治20)まで25年間続く長寿雑誌となった。63年には小沢カネと結婚し1子をもうけている。油彩画、水彩画も描いたことから高橋由一(ゆいち)、五姓田芳柳(ごせだほうりゅう)らが弟子入りし、日本近代洋画成立期の指導的立場にあった。横浜で没。[清水 勲]
『酒井忠康著『海の鎖――描かれた維新』(1977・小沢書店) ▽清水勲編『ワーグマン日本素描集』(岩波文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内のワーグマンの言及

【水彩】より

…とくに重要な画家をあげれば,ドラクロア,ドーミエ,セザンヌ,ゴッホ,シニャック,モローなどがおり,20世紀にかけてはルオー,デュフィ,スゴンザック,クレー,ノルデ,またアメリカではホーマー,プレンダーガストMaurice Prendergast(1859‐1924),マリンJohn Marin(1870‐1953)などがあげられ,いずれも従来の伝統にとらわれない自由な様式,技法を見せている。
[近代日本の水彩]
 日本では《イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ》の特派員として幕末に来日したイギリス人ワーグマンに学んだ高橋由一,五姓田(ごせだ)芳柳(1827‐92),その次男の義松などが洋風水彩画の端緒を作り,浅井忠は油彩のほか水彩にもすぐれていた。また1907年には大下藤次郎,丸山晩霞(ばんか)(1867‐1942)らの手で日本水彩画研究所が設立され,その後の水彩の普及,発展に大きく貢献した。…

【漫画】より

… 明治以後の日本ではしばらく江戸末期の遊びの精神は衰え,まじめに一直線に西洋近代に学ぶことに関心が集中した。明治以前からの漫画を描き続ける河鍋暁斎(かわなべぎようさい)のような作家はいたが,明治以後の漫画はむしろドーミエやホガースの漫画をヨーロッパからひきよせて,民衆に対していばりちらす日本の成上り官僚の姿をおかしく描いた,イギリス人C.ワーグマンとフランス人G.ビゴーによって新しくおこされた。イギリスの漫画雑誌《パンチ》にならって,ワーグマンの発行した日本最初の漫画雑誌《ジャパン・パンチThe Japan Punch》(1862創刊,87廃刊)は,〈ポンチ絵〉という名を日本に残した。…

【明治・大正時代美術】より

…彼はヨーロッパでルネサンス期に確立された遠近法と,ものの丸みをつける明暗法による,科学的な写実表現の迫真性に強くとらえられる。単色の銅版画や色彩の入った石版画によって,西洋画の迫真性を学びつつあった高橋が,本格的な洋画家になったのは,1866年(慶応2),横浜駐在の《イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ》のイギリス人挿絵記者C.ワーグマンに入門してからである。高橋はここで油絵,水彩画の実技指導を受ける。…

※「ワーグマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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