一枝(読み)いっし

精選版 日本国語大辞典 「一枝」の意味・読み・例文・類語

いっ‐し【一枝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一本の枝。ひとえだ。
    1. [初出の実例]「莫道成功能管領、一枝蠧桂謝家君」(出典菅家文草(900頃)一・奉和王大夫賀対策及第之作)
    2. [その他の文献]〔白居易‐長恨歌〕
  3. 細長いもの一本。
    1. [初出の実例]「一枝尺八恨難任、吹入胡笳塞上吟」(出典:狂雲集(15C後)尺八)
  4. 一つの系統
    1. [初出の実例]「一枝の仏法相伝して」(出典:寛永刊本江湖集鈔(1633)三)
  5. 銭百文のこと。
    1. [初出の実例]「瞽者辞去。付一枝」(出典:蔗軒日録‐文明一六年(1484)一〇月二日)

ひと‐えだ【一枝・一肢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 樹木の一本の枝。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. 人や獣の手や足ひとつ。
    1. [初出の実例]「ソノ イトクブンニ マ fitoyedaua(ヒトエダワ) ワレニ クレイ」(出典:天草本伊曾保(1593)獅子と、犬と、狼と、豹との事)

ひと‐よ【一枝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「よ」は「え(枝)」の変化したもの ) 一本の枝。一説に、一片花弁
    1. [初出の実例]「此の花の一与(ひとヨ)うち百種の言持ちかねて折らえけらずや」(出典:万葉集(8C後)八・一四五七)

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普及版 字通 「一枝」の読み・字形・画数・意味

【一枝】いつし

ひとえだ。〔荘子、逍遥遊〕鷦鷯(せうれう)深林(すくら)ふも、一枝にぎず。偃鼠(えんそ)河に飮むも、腹を滿たすにぎず。歸休せよや君、予(われ)天下を用(もつ)て爲す无(な)し。

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