三井不動産(読み)みついふどうさん

共同通信ニュース用語解説 「三井不動産」の解説

三井不動産

賃貸オフィスや商業施設ホテルの運営からマンション販売まで幅広く手掛ける不動産最大手。本社を構える東京・日本橋などで大型の再開発を進めている。好調な市況を追い風に2020年3月期連結純利益は1839億円と、6年連続で最高益を更新した。21年3月期は一転し、新型コロナウイルスの影響で大幅減益を見込む。今年3月末の連結従業員数は2万864人。

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改訂新版 世界大百科事典 「三井不動産」の意味・わかりやすい解説

三井不動産[株] (みついふどうさん)

不動産業のトップ。1941年三井11家の出資により,前年三井物産吸収合併された旧三井合名会社の不動産課を分離継承して設立された。その主たる目的は三井家ゆかりの不動産の所有・管理であった。第2次大戦後GHQの財閥解体政策により,三井11家所有の旧株式のすべては一般公開され,株主層は一般化し,同社は実質的に三井家の所有から離れた。56年清算中の(株)三井本社を合併,これが事実上当社の新しいスタートとなった。それまでの事業が三井系企業のためのビル賃貸と若干の不動産取引仲介にとどまっていたため,所有する不動産量に乏しく,不動産会社として伸びていくためには新しい分野の開発に取り組むしかなかった。その第1の柱が昭和30年代に開始した臨海土地造成事業で,千葉県の東京湾沿岸,岡山県の水島などの大型埋立て事業が推進された。もう一つは昭和40年代から全国各地で展開された住宅事業である。さらに68年には日本初の超高層ビル霞が関ビルを賃貸ビルとして建築,以後賃貸ビル部門でも積極的な事業展開をはかった。その後,81年に日本最大の複合ショッピング・センター〈ららぽーと〉を千葉県に開設,83年にはみずから大株主の東京ディズニーランドを開設するなど,新規事業に積極的に取り組んでいる。売上構成は分譲23%,賃貸37%,完成工事15%,その他25%(2005年3月期)。資本金1344億円(2005年9月),売上高1兆1114億円(2005年3月期)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三井不動産」の意味・わかりやすい解説

三井不動産(株)
みついふどうさん

売上高業界第1位の大手不動産会社。1941年(昭和16)、その前年に三井物産に合併されていた旧三井合名の不動産課を分離継承して設立。財閥解体を経て、1956年(昭和31)には清算中であった三井本社を合併した。当初は三井家ゆかりの不動産の所有・管理運営を主たる業務としていたが、1955年に江戸英雄(ひでお)(1903―97)が社長に就任して以来、積極経営を展開。浚渫(しゅんせつ)埋立て事業や宅地造成事業に進出するとともに、霞が関(かすみがせき)ビル(1968竣工)を建設して超高層ビル時代幕開けの先鞭(せんべん)をつけた。石油ショック以降、従来の開発主導型にかわって住宅中心型の事業展開を図っている。資本金約1743億円(2008)、売上高4606億円(2008)。

[橘川武郎]

『財団法人日本経営史研究所編『三井不動産四十年史』(1985・三井不動産株式会社)』

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百科事典マイペディア 「三井不動産」の意味・わかりやすい解説

三井不動産[株]【みついふどうさん】

不動産総合トップ。三井御三家の一つ。1940年三井合名が三井物産に吸収合併されるのにともない,不動産部門を分離,翌1941年に三井不動産として設立。1957年千葉県臨海地区の臨海土地造成事業に進出。1968年,日本初の超高層ビル〈霞が関ビル〉を建設。商業ビル,ショッピングモール,ホテルなどを次々と手がけた。その他1983年にはオリエンタルランドに共同出資し〈東京ディズニーランド〉を設立するなど積極経営で知られ,マンションの建設・分譲にも実績をもつ。戦後,三井本家の当主を相談役に招き,1956年には清算中の三井本社を吸収合併している。本社東京。2011年資本金1742億円,2011年3月期売上高1兆4052億円。売上構成(%)は,賃貸30,分譲29,マネジメント20,三井ホーム15,その他7。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三井不動産」の意味・わかりやすい解説

三井不動産
みついふどうさん

総合不動産会社。三井合名会社の不動産部門を分離して 1941年設立。全株式は三井家所有であったが,戦後の財閥解体により 1949年株式を一般公開。1956年財閥解体によって清算中の三井本社を合併,三井の歴史と伝統を受け継いだ。1970年朝日土地興業を合併。1968年には日本最初の超高層ビルである霞ヶ関ビルを竣工させた。ビルディングや土地の賃貸管理のほか,不動産販売を柱に住宅・都市開発や工事の設計・監理・請負などを積極的に行なっている。不動産流通などの事業を行なう直系子会社を多数もつ。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三井不動産」の解説

三井不動産

正式社名「三井不動産株式会社」。英文社名「Mitsui Fudosan Co., Ltd.」。不動産業。昭和16年(1941)設立。本社は東京都中央区日本橋室町。総合不動産会社。前身は明治42年(1909)設立の「三井合名会社」不動産部門。昭和43年(1968)超高層ビルの先駆けとなった東京の霞が関ビルを建設。ビル賃貸・マンション分譲・ホテル事業など多角展開。東京証券取引所第1部上場。証券コード8801。

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世界大百科事典(旧版)内の三井不動産の言及

【不動産業】より

…現,国土計画)などの電鉄系各社による都市郊外での土地開発と住宅供給が盛んになった。昭和になってからはオフィス街のビル経営も本格的になり,1937年に三菱地所が,41年に三井不動産が設立され,財閥の不動産部門が独立しはじめた。しかし第2次大戦前の不動産業界は概して小規模で,産業としての形態はまだ整えていなかった。…

※「三井不動産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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