三宅嘯山(読み)ミヤケショウザン

デジタル大辞泉 「三宅嘯山」の意味・読み・例文・類語

みやけ‐しょうざん〔‐セウザン〕【三宅嘯山】

[1718~1801]江戸中期の俳人・儒学者。京都の人。名は芳隆。あざなは之元。別号葎亭りっていなど。俳諧に長じ、炭太祇与謝蕪村らと交わり、独自の俳境を開いた。編著「俳諧古選」「俳諧新選」、漢詩嘯山詩集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「三宅嘯山」の意味・読み・例文・類語

みやけ‐しょうざん【三宅嘯山】

  1. 江戸中期の俳人、儒者本名、三宅芳隆。別号、葎亭・滄浪居。京都の人。質商。また、青蓮院の侍講。漢詩を恵訓に学び、俳諧は宋屋の門。古俳人の佳句を類題別にし、漢文体の短評を施した「俳諧古選」は著名。他に「嘯山詩集」「葎亭句集」「たたひ越」「俳諧独喰」。享保三~享和元年(一七一八‐一八〇一

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朝日日本歴史人物事典 「三宅嘯山」の解説

三宅嘯山

没年:享和1.4.18(1801.5.30)
生年:享保3.3.25(1718.4.25)
江戸中期の俳人。名は芳隆。別号に葎亭,滄浪居,橘斎など。京都の質商。俳諧においては望月宋屋に師事し,漢詩を慧訓和尚に学ぶ。宝暦初年から蝶夢,与謝蕪村,興津雅因らと交流し,のちに点者ともなった。中国白話にも通暁しており,和漢雅俗のいずれにもおよぶ活動によって広い交流圏と見識を具備した。宝暦13(1763)年には,漢詩で得た鑑賞眼を背景にして批評文を記した『俳諧古選』を刊行。その総論において,元禄期の俳風への復帰を提唱。『平安二十歌仙』(1769)の刊行後,高井几董の『其雪影』に跋を与え(1772)て蕪村一門との親交を示す。安永2(1773)年には,『俳諧新選』を出版するが,その総論において俳壇を刺激した。安永末には京都俳壇の老大家として,諸俳人からの信頼あつく,諸書に序跋を与えたり選句したりした。没後,『葎亭画讃集』『同附録』『葎亭句集』『同附続』が編まれ,追善集に『かれ蘆』もある。

(楠元六男)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三宅嘯山」の意味・わかりやすい解説

三宅嘯山
みやけしょうざん

[生]享保3(1718).3.25. 京都
[没]享和1(1801).4.14. 京都
江戸時代中期~後期の俳人,儒者。名,芳隆。字,之元。別号,葎亭,橘斎,滄浪居。質商を生業とし,青蓮院宮の侍講をつとめた。俳諧は妻が蕉門の木節の裔であることから親しみ,望月宋屋の門に入って点者となった。蕪村,太祇,蝶夢,闌更らと交遊し,天明期の中興俳諧の機運醸成に関与した。古俳人の佳句を批評した『俳諧古選』 (1763) や,今人の佳句を編集した『俳諧新選』 (77) があり,この2書の総論に彼の俳諧論をみることができる。太祇,随古と『平安二十歌仙』 (69) を刊行し,『葎亭句集』 (1801) もある。また芥川丹丘らと交遊して中国白話にも通じ,訳書『通俗女仙伝』 (1789) や読本『宿直文 (とのいぶみ) 』 (87) の作がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三宅嘯山」の解説

三宅嘯山 みやけ-しょうざん

1718-1801 江戸時代中期の俳人,儒者。
享保(きょうほう)3年3月25日生まれ。三宅観瀾(かんらん)の一族で,京都の質商。望月宋屋(そうおく)に俳諧(はいかい)をまなぶ。炭太祇(たん-たいぎ),与謝蕪村(よさ-ぶそん)らとまじわり,「俳諧古選」などの評論で元禄期への復帰をとなえる。漢詩にすぐれ,中国白話小説にも通じた。享和元年4月14日死去。84歳。名は芳隆。字(あざな)は之元。別号に葎亭(りってい),滄浪居。
【格言など】客去つて撫る火鉢やひとりごと(「葎亭句集」)

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367日誕生日大事典 「三宅嘯山」の解説

三宅嘯山 (みやけしょうざん)

生年月日:1718年3月25日
江戸時代中期;後期の俳人
1801年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三宅嘯山」の意味・わかりやすい解説

三宅嘯山
みやけしょうざん

嘯山

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世界大百科事典(旧版)内の三宅嘯山の言及

【嘯山】より

…江戸中期の俳人。姓は三宅,名は芳隆。葎亭(りつてい),滄浪居とも号す。京の商人で,《嘯山詩集》を残す文人学者でもあり,1763年(宝暦13)刊の《俳諧古選》では漢詩の評語で歴代の佳句を評して名声を得る。また太祇と《俳諧新選》を編み,この2著で平明調と高華俊逸調の両立を説き,蕪村などにも影響を与えた。《平安二十歌仙》の作者の一人で,蕉風中興の気運をつくった京俳壇の重鎮である。中国白話に堪能で,《通俗酔菩提全伝》《通俗大明女仙伝》の訳書,《宿直文(とのいぶみ)》の読本をも成した。…

※「三宅嘯山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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