日本大百科全書(ニッポニカ) 「三島弥彦」の意味・わかりやすい解説
三島弥彦
みしまやひこ
(1886―1954)
日本人初のオリンピック参加選手。東京生まれ。学習院から東京帝国大学を卒業。学生時代から万能選手として鳴らした。とくに陸上の短距離は得意で、1912年(明治45)の第5回オリンピック・ストックホルム大会にマラソンの金栗四三(かなくりしそう)と2人で、日本人として初のオリンピック参加選手となった。100、200、400メートルに出場したが、いずれも予選通過程度で終わった。このときの入場式にプラカードがあることを知らず、2人で相談の結果、国名をNIPPONとして入場行進した。NIPPONはこれ一度だけで以後はJAPANとなっている。学者肌でひげを生やしており、ストックホルムでもひげをだいじに手入れしていたという。
[石井恒男 2020年4月17日]