三菱マテリアル(読み)みつびしまてりある

共同通信ニュース用語解説 「三菱マテリアル」の解説

三菱マテリアル

セメント金属、電子材料など幅広い素材や部品を扱う非鉄大手。三菱グループ創始者である岩崎弥太郎いわさき・やたろうが手掛けた炭鉱・鉱山事業がルーツで、三菱金属三菱鉱業セメントが1990年に合併して誕生した。個人向けの貴金属販売のほか、家電製品などのリサイクル事業も展開する。昨年11月以降、三菱電線工業(東京)や三菱伸銅(同)などのグループ会社で製品データ改ざんなどの不正があったと公表した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三菱マテリアル」の意味・わかりやすい解説

三菱マテリアル(株)
みつびしまてりある

三菱グループの総合素材メーカー。発祥は、三菱財閥の創設者岩崎弥太郎(やたろう)の九十九(つくも)商会(後の三菱合資会社)が1871年(明治4)紀州新宮藩の炭鉱を租借し汽船の燃料の自給を図ったことに求められる。その後、吉岡銅山高島炭鉱などを買収し、明治期を通して鉱業にも進出、三菱財閥の基盤の一つとなる。1918年(大正7)三菱鉱業株式会社として独立、国内だけでなく海外の鉱山開発にも進出、日本有数の鉱業会社に発展した。第二次世界大戦後の1950年(昭和25)集中排除法により金属部門が分離。金属部門は太平鉱業となり、太平鉱業は1952年社名を三菱金属鉱業と改称する。石炭専業となった三菱鉱業は、エネルギー革命の進展に伴い多角経営に転換、1954年三菱セメントを設立。1962年に建材、1970年代から電子セラミックス製品のほかエンジニア・コンサルティング、不動産業などにも進出した。1973年三菱セメント、豊国セメントと3社で合併、三菱鉱業セメントとなる。同年、三菱金属鉱業は三菱金属に社名を変更。1990年(平成2)三菱鉱業セメントと三菱金属は合併、社名を三菱マテリアルと改称した。資本金1194億5700万円(2019)、売上高1兆6629億9000万円(2019年3月。連結ベース)。従業員数2万8426(2019)。

[森 真澄

『三菱鉱業セメント株式会社編・刊『三菱鉱業社史』(1976)』

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百科事典マイペディア 「三菱マテリアル」の意味・わかりやすい解説

三菱マテリアル[株]【みつびしマテリアル】

三菱系の大手素材メーカー。1990年三菱金属と三菱鉱業セメント(三菱鉱業)が合併して誕生。両社は,三菱鉱業が1950年の過度経済力集中排除法で分離したもの。三菱金属は,1950年の三菱鉱業の金属加工・製錬部門を分離し,太平鉱業として設立。1952年に三菱金属鉱業,1973年に三菱金属に改称。三菱鉱業セメントは,1973年に三菱鉱業が子会社・三菱セメント(1954年設立)を吸収合併し,改称。金属精錬・セメント主体から,金属加工品・電子材料・原子力燃料等に多角化。合併以後,1996年インドネシアに銅製錬所を設立し,1998年宇部三菱セメントを設立,2000年神鋼コベルコーツ買収,2002年住友金属工業とシリコンウエハー事業を統合し三菱住友シリコンを発足させるなど積極展開している。本社東京,工場堺,筑波,新潟,岐阜,岡山など。2011年資本金1194億円,2011年3月期売上高1兆3339億円。売上構成(%)は,セメント11,銅44,加工9,電子材料4,アルミ10,その他22。海外売上比率36%。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三菱マテリアル」の意味・わかりやすい解説

三菱マテリアル
みつびしマテリアル
MITSUBISHI MATERIALS CORPORATION

三菱グループの総合非鉄金属会社。1950年過度経済力集中排除法の適用を受け,三菱鉱業(1918設立)の金属部門を分離して太平鉱業を設立。1952年三菱金属鉱業に社名変更。1954年三菱セメントを設立し,セメント事業に進出。1973年三菱鉱業,三菱セメント,豊国セメントの 3社が合併し,三菱鉱業セメントが発足。同年三菱金属鉱業を三菱金属に社名変更。1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併して新発足し現社名となる。1998年宇部興産とセメントの共販会社を設立。2000年神戸製鋼の工具子会社を買収。2002年住友金属工業とシリコンウエハ事業の共同会社を設立。再利用技術の開発や新素材の研究開発を進めている。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三菱マテリアル」の解説

三菱マテリアル

正式社名「三菱マテリアル株式会社」。英文社名「MITSUBISHI MATERIALS CORPORATION」。非鉄金属工業。平成2年(1990)「三菱金属株式会社」と「三菱鉱業セメント株式会社」が合併し設立。本社は東京都千代田区大手町。総合材料メーカー。セメント製造、非鉄金属精錬・加工を行う。大正7年(1918)設立の「三菱鉱業株式会社」を前身とする。東京証券取引所第1部上場。証券コード5711。

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