三谷隆正(読み)ミタニ タカマサ

20世紀日本人名事典 「三谷隆正」の解説

三谷 隆正
ミタニ タカマサ

大正・昭和期の教育家,法哲学者 一高教授



生年
明治22(1889)年2月6日

没年
昭和19(1944)年2月17日

出生地
神奈川

学歴〔年〕
東京帝大法科大学〔大正4年〕卒

経歴
青年の教師となることに天職を見出し、六高、静岡高校、東京外語などで講師を務め、昭和4年一高教授となった。法制ドイツ語を担当、14年静高校長に任命されたが病気のため辞任学生時代から新渡戸稲造内村鑑三師事、無教会キリスト教入信。終生旧制高校の教師として、深い信仰により青年学徒に強い影響を与えた。著書に「信仰の論理」「アウグスチヌス」「知識・信仰・道徳」「幸福論」「国家哲学」「法律哲学原理」「法と国家」などがある。友人南原繁により「三谷隆正全集」(全5巻)が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三谷隆正」の意味・わかりやすい解説

三谷隆正
みたにたかまさ
(1889―1944)

教育者、哲学者。神奈川県生まれ。第一高等学校を経て、東京帝国大学法科大学を卒業。第六高等学校を皮切りに、静岡高等学校、第一高等学校など旧制高等学校の教授として、法制およびドイツ語を教えた。高等学校時代から新渡戸稲造(にとべいなぞう)、内村鑑三(うちむらかんぞう)の影響のもと、キリスト教に入信、生涯その深い信仰に基づく使命感によって、学生を指導した。信仰者の立場から、とくにアウグスティヌスを研究して、神学、哲学に関する著作を残し、『三谷隆正全集』に収められている。

[大谷啓治 2018年3月19日]

『『三谷隆正全集』全5巻(1965~1966・岩波書店)』

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改訂新版 世界大百科事典 「三谷隆正」の意味・わかりやすい解説

三谷隆正 (みたにたかまさ)
生没年:1889-1944(明治22-昭和19)

教育者。神奈川県に生まれ,第一高等学校を経て東京帝国大学法科大学を卒業。のち第六高等学校,静岡高等学校,第一高等学校の教授。一高在学中新渡戸稲造の感化をうけ,名物教授岩元禎の愛弟子とされ,また内村鑑三に学んで無教会主義のキリスト信者となる。南原繁との交友も有名で,南原の歌集《形相》に多数詠まれている。法学と法哲学の研究のほか,《信仰の論理》(1926),《幸福論》(1944)などで教養主義の克服を教え,青年に大きな影響を与えた。なお,作家長谷川伸は異父兄,女子学院院長を務めた教育者三谷民子は異母姉にあたる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三谷隆正」の意味・わかりやすい解説

三谷隆正
みたにたかまさ

[生]1889.2.6. 神奈川
[没]1944.2.17. 東京
教育者。明治学院普通部を卒業し,第一高等学校に在学中新渡戸稲造に師事,また柏会の会員となり内村鑑三の感化を受ける。 1915年東京帝国大学英法科を卒業し第六高等学校に赴任,法制,ドイツ語を担当。 26年東京に移り,29年,一高教授となる。その他中央大学,女子学院,東京女子大学でも教える。三谷民子 (キリスト教女子教育に貢献した) の弟。主著『信仰の論理』 (1926) ,『国家哲学』 (29) ,『法律哲学原理』 (35) ,『知識,信仰,道徳』 (46) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三谷隆正」の解説

三谷隆正 みたに-たかまさ

1889-1944 大正-昭和時代前期の教育者。
明治22年2月6日生まれ。内村鑑三に師事し,キリスト教に入信。六高,一高などで法制,ドイツ語をおしえ,高潔な人格によって学生を感化した。南原繁ほか編「三谷隆正全集」5巻がある。弟に三谷隆信,異母姉に三谷民子,異父兄に長谷川伸。昭和19年2月17日死去。56歳。神奈川県出身。東京帝大卒。

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367日誕生日大事典 「三谷隆正」の解説

三谷 隆正 (みたに たかまさ)

生年月日:1889年2月6日
大正時代;昭和時代のキリスト教育者;法哲学者
1944年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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