上げ銭(読み)アゲセン

デジタル大辞泉 「上げ銭」の意味・読み・例文・類語

あげ‐せん【上げ銭/揚げ銭】

手数料。賃貸料。
一月の―が積もったら大きな事だらう」〈滑・浮世床・二〉
労働に対する代金賃金
「―の残りも今日はすっきりと取って」〈浄・二枚絵草紙〉
芸者遊女と遊ぶ代金。揚げ代。
「―、大夫を昼夜七十四匁。格子こうしは五十二匁なり」〈浮・諸艶大鑑・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「上げ銭」の意味・読み・例文・類語

あげ‐せん【挙銭・上銭・揚銭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世利子をとって金銭を貸し出すこと。また、その金銭。こせん
    1. [初出の実例]「挙銭を取て、まづ寺家に令進納後」(出典吾妻鏡‐延応元年(1239)四月二六日)
  3. 営業権を他人に貸して、受けとる貸料。うわまえをはねて取る金。
    1. [初出の実例]「目鼻がなけりゃアわさびおろしといふ面(つら)だから、かながしらから揚銭(アゲセン)を取さうだア」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)
  4. 小揚げの賃金。労賃
    1. [初出の実例]「九間のおろせがあげせんの、残りもけふはすっきりと取って九両二歩のかね」(出典:浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)中)
  5. あげだい(揚代)
    1. [初出の実例]「恋しやと見にこそ来たれ上銭の金は持たずもなりにけるかな」(出典:仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下)

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