上方唄(読み)カミガタウタ

デジタル大辞泉 「上方唄」の意味・読み・例文・類語

かみがた‐うた【上方唄/上方歌】

江戸時代に京坂で流行した三味線歌組歌長歌端歌手事物てごともの芝居唄浄瑠璃物作物さくものなどが含まれる。京唄地歌。→江戸唄

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精選版 日本国語大辞典 「上方唄」の意味・読み・例文・類語

かみがた‐うた【上方唄】

〘名〙 長唄江戸浄瑠璃などの江戸唄に対して、京坂地方で流行した三味線歌で、組歌、歌舞伎歌、端歌、長歌、半太夫物、繁太夫(しげたゆう)物、正伝節、騒ぎ、作物(さくもの)手事物などが含まれる。京唄。京風唄。地唄法師唄
※二日酔巵觶(1784)「おらア上(かミ)かた哥がきついすきよ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上方唄」の意味・わかりやすい解説

上方唄
かみがたうた

三味線音楽を発生地によって分類した名称。京坂地方で用いられていた「江戸唄」に対比する概念で、東西の交流が盛んになる明治中期以降、地唄の代名詞として東京で広まった。しかし現代では、曲名だけでよばれてきた『十二月(じゅうにつき)』『十日戎(とおかえびす)』といったはやり歌(東京では「俗曲」に分類する)までも京坂地方では「上方唄」というようになった。別に上方舞(京坂では舞ないしは地唄舞)では義太夫(ぎだゆう)と地唄の掛け合いや、上方長唄による曲の総称として用いる場合もある。

[倉田喜弘]

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