上荷船(読み)ウワニブネ

デジタル大辞泉 「上荷船」の意味・読み・例文・類語

うわに‐ぶね〔うはに‐〕【上荷船】

江戸時代、主に大坂で、本船波止場との間を往復して、荷物の積み卸しをした喫水の浅い船。京都・大坂間の川運漕にも用いられた。

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精選版 日本国語大辞典 「上荷船」の意味・読み・例文・類語

うわに‐ぶねうはに‥【上荷船】

  1. 上荷船〈船明細図より〉
    上荷船〈船明細図より〉
  2. 〘 名詞 〙 大型廻船の荷物の積みおろしをするために使われた喫水の浅い荷船瀬取船茶船と同じで、二〇石積みから四〇石積みがふつうだが、所により大きさ、船型に多少の相違がある。うわに。
    1. [初出の実例]「これ天のあたへと喜びくだきて、上荷舟にて取よせ」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上荷船」の意味・わかりやすい解説

上荷船
うわにぶね

貨物出入りの多い港湾にあって,沖に停泊した商船の荷物を積卸しまたは積込みを専門に行う小荷船。瀬取船 (せとりぶね) ,茶船ともいい,小は 10石積みから大は 100石積み級まであったが,港湾の事情により船型,大きさとも相違する点が多い。近世では大坂の上荷船 (20石積み) が有名で,江戸では瀬取茶船と呼んだ。なお,大坂では市中川筋を往来して荷物を運搬する船も上荷船といい,さらに淀川で過書船とともに就航していた川船をも淀上荷船と呼んだが,これらは特別な例である。

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防府市歴史用語集 「上荷船」の解説

上荷船

 江戸時代に港と船の間を往復して、荷物を積み下ろしするのに使っていた小船のことです。

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世界大百科事典(旧版)内の上荷船の言及

【べか車】より

…近世中期になって増加し,橋を通過するので人の往来を妨げ,橋の損害が大になったとして規制され,1824年(文政7)定数を1678両とした。また市中の独占川舟の上荷(うわに)舟,茶舟と貨物を争奪するに至った。後期にはさらに進出し,荷物制限,積載制限,車力の増加要望,台枠の長さ制限などの問題が起こった。…

※「上荷船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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